mu-moステーション | あらゆるエンタメをもっと楽しむ

mu-mo station(media stationを含む)サービス終了のお知らせ
2019年3月29日 更新

祝TMN映画化。そして、TM NETWORKに学ぶ“ファンマーケティング”の話

TM NETWORK『TMN final live LAST GROOVE 1994』

TM NETWORK『TMN final live LAST GROOVE 1994』

どうも、音楽コンシェルジュのふくりゅうです。

TM NETWORKデビュー35周年を記念して、1994年に東京ドームで2日間開催されたTMN終了コンサート『TMN final live LAST GROOVE 1994』が2019年4月21日に全国の映画館(全国14都市34劇場)にて1日限定でプレミアム上映されることになりました。

『TMN final live LAST GROOVE 1994』ティザー映像レストア前ver.

ちなみにTM NETWORKとは、小室哲哉、宇都宮隆、木根尚登による、個の連帯でつながる3人組音楽ユニットです。なお、1994年にTMNプロジェクトが終了。その後、1999年にTM NETWORKとしてあらためて再始動しました。

先日、TMN終了コンサート『TMN final live LAST GROOVE 1994』制作者向けの0号試写へ行ってきたのですが、5.1ch・2019リミックス・サウンドが施された新音響。そして、修復=レストアされた映像美に心動かされまくりでした。いやぁ、なによりもメンバーがカッコよすぎます。気品あるセクシーさ? 色っぽいんですよねぇ。

TM NETWORK 『BeTogether』Befor/After

TMのライブ・エンタテインメントと5時間以上向き合って、あらためて思ったのですがTM NETWORKってすごいんですよ。シンセサイザーやハードディスクレコーディングなどデジタライズされたテクノロジーの導入など、革新的なサウンド技術活用はもちろん、自分たちの作品をいかに付加価値に忠実に伝えるかというストーリーテリングされたマーケティング手法含めて、デビュー当時から画期的な試みが彼らのヒストリーには散りばめられているのでした。

昨今、IT界隈では“ファンマーケティング”、“ファンエコノミー”が注目されていまして、世界的に活躍する韓国のアーティスト、BTS(防弾少年団)が自分たちのファンをARMYとネーミングして、ファンを消費者を越えて参加型ファンコミュニティーの形成として表現されていることが話題となりました。

いや、これってTM NETWORKが1986年に自分たちを信じてついてきてくれるファンのことをFANKSと命名して、巻き込み型のファンシステムを構築したことと同じですよね? しかもTMは33年前に実施していたのでした。ちなみに、FANKSとは“FUNK+PUNK+FANS”を語源としている造語であり、ファンを指す名称であるとともにTM NETWORKが生み出すエンタテインメントを指す、いわゆるジャンル的なネーミングでもありました。

TM NETWORKのサウンドは、小室さんによる打ち込みのイメージが強いかもしれませんが、実は生演奏へのこだわりも強く、ブラックミュージック的エッセンスもあり、かつロック、プログレ、ニューウェーヴ、フォーク、ユーロビート、ハウス、ハードロックなど様々なテイストが折り重なっているのです。先日、バンドでありユニットでもあるNulbarichのライブを観たのですが、「ああTMっぽい」って思ったりしました。ライブ・スタイルに、小室さんと同い歳のプリンス的な要素を感じたからですかねぇ。

さらに、TM NETWORKは1988年、T-MUE-NEEDSというキーワードを掲げました。T-MUE-NEEDSとは、TMを必要とする人々の総称を意味していました。TMのT、mutation(超出し続けることによって脱皮、変化する)のMUE、必要とするという意味のNEEDSを合わせた造語でした。ジャンルを超えて進化し続けるTM NETWORKのありようを表現したコンセプトであり、これもまたファンの総称となりました。ただし、引っ張ることなく1990年にはTMNプロジェクトへのリニューアル、改名へと動いていくのですけどね。

当時、TM NETWORKのファンクラブ『Timemachine Café』には5万人以上の会員がいました。日本最大のファンコミュニティーと言われていました。それこそ、ファンクラブ会員が「アクシデント」、「Dragon The Festival」などで召集され、初期楽曲のミュージックビデオに出演するなど作品へも参加していました。音楽業界のファンクラブ・システムは、言わば定額制サブスクリプション型ビジネスの先駆けであり、ファンコミュニティーを形成して作品をも生み出すファンマーケティングの現場だったのです。
さらに注目は、いち消費者からファンへの移行。コンシューマーからプロシューマーへの進化です。

小室哲哉は使い勝手のいいスピーカー付き(←実は革命的!)のシンセサイザーEOS B200をYAMAHAと開発したことによって、TM NETWORKに憧れたコンシューマーへシンセサイザーを供給したことで、たくさんの後進アーティストを生み育てることとなりました。シンセサイザー人口を増やすべく全国ツアー中には、各地で講座的なショーも実施していたのです。のちのエイベックス・サウンドはもちろん、capsuleとしてデビューした中田ヤスタカなど、様々なクリエイターへの影響があったと思います。

それこそ、トラックメーカーというサウンドプロデューサーの存在は、自ら編曲やトラック、一部作品においてはミックスまで手がける小室哲哉がルーツとなることでしょう。その後、YouTubeやニコニコ動画など動画共有サイトの誕生によって一部トラックメーカーは、作品をネット上へ投稿するようになりボカロPとして活躍をしはじめました。初音ミク史上最大級のヒット曲「メルト」を生み出したsupercellのryoさんは、TM NETWORKの影響、EOSを入手したことでその道へと進まれたクリエイターだったりします。音楽番組『関ジャム 完全燃SHOW』で人気の音楽プロデューサー、蔦谷好位置さんも自身のブログでTMへの愛を綴られていました。
TMにおける逸話としては、SF的設定を用いてアーティスト活動に付加価値あるストーリー展開を導入した話、制作チームに映像にまつわるスタッフがいてレコードショップ直でオリジナルコンテンツ含むビデオコンサートをやっていた話、ライブ会場を取り囲むサラウンドを取り入れた話や、ライブを衛星(!)を使ってライブビューイング的に同時生中継を行った話、リプロダクションという名でナイル・ロジャースやジェリー・ビーン、PWLなど海外クリエイターへリミックスをオーダーしてBEST盤を超える豪華アルバム作品を作り上げた話、ユニット名をリニューアルしてCIを変更、キーワード戦略によってブランディングを革新させた話、アナログ時代にいち早くハードディスクレコーディングを導入してCD以上の音質の作品をリリースできる時代ではないのに作り上げた話、ツアー中の裏話を時系列でドキュメンタリー小説化することでメンバーはもちろんライブメンバーやスタッフへの愛着をもコントロールした話、などなど。これらは、80年代中盤〜90年代初頭の話なのです(驚)。

TM NETWORKには、音楽に限らずマーケティング的にも、今もなお役立つたくさんのアイディアが、逸話が込められているのです。ノウハウが、本一冊分は軽くありますね。。

TM NETWORK 『Self Control』TMN final live LAST GROOVE

ちなみに、5月22日にはTMN終了コンサート『TMN final live LAST GROOVE 1994』も収録された『[完全生産限定版] TM NETWORK THE VIDEOS 1984-1994(10枚組Blu-ray)』も発売されますよ!!!

TM NETWORK『TMN final live LAST GROOVE 1994』

mu-moステーション編集部 編集後記

どうも、mu-moステーション編集部のRです。

みなさん、ただいまです!
お休みを頂き、気分をリフレッシュしてきました!
またお仕事がんばります!

さて、今回のファンマーケティングの話は
とても興味深いですね。

BTS(防弾少年団)の話が出てきていますが
韓国のグループは比較的参加型な気がします。
全てのアーティストとファンがそういうシステムになれば
もっと音楽シーンも盛り上がるんじゃないかなって思います。

こういう昔の出来事があったから
今の音楽シーンが支えられてるのかと思うと
すごい感慨深いです。

音楽、サイコー!!
15 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

宇都宮隆、小室哲哉との友情を感じた最強ツアーの話、“焼き鳥達人の会”に行ってきたよの話【音楽コンシェルジュ ふくりゅう】

宇都宮隆、小室哲哉との友情を感じた最強ツアーの話、“焼き鳥達人の会”に行ってきたよの話【音楽コンシェルジュ ふくりゅう】

7歳のあらた君&11歳のみー君の2人の息子に囲まれて、音楽業界の荒波を駆け抜ける男・ふくりゅう(埼玉県在住)。 “音楽コンシェルジュ”を名乗る彼が今週気になるあの話題を、愛する息子たちと一緒に切り取ります! 巻末の担当編集による編集後記まで楽しんでくださいね♪ ★今週の気になりワード★「TM NETWORK」「宇都宮隆」「木根尚登」「小室哲哉」「TRF」「DJ KOO」「nishi-ken」「西山毅」「焼き鳥」
木根尚登、幻のTM名曲を熱唱の話【音楽コンシェルジュ ふくりゅう】

木根尚登、幻のTM名曲を熱唱の話【音楽コンシェルジュ ふくりゅう】

6歳のあらた君&11歳のみー君の2人の息子に囲まれて、音楽業界の荒波を駆け抜ける男・ふくりゅう(埼玉県在住)。 “音楽コンシェルジュ”を名乗る彼が今週気になるあの話題を、愛する息子たちと一緒に切り取ります! 巻末の担当編集による編集後記まで楽しんでくださいね♪ ★今週の気になりワード★「TM NETWORK」「木根尚登」「35周年」「安室奈美恵」「韓国」「iKON」
小室哲哉新曲「みんなに会いたい」の話、『ぼくらの七日間戦争』の話【音楽コンシェルジュ ふくりゅう】

小室哲哉新曲「みんなに会いたい」の話、『ぼくらの七日間戦争』の話【音楽コンシェルジュ ふくりゅう】

6歳のあらた君&11歳のみー君の2人の息子に囲まれて、音楽業界の荒波を駆け抜ける男・ふくりゅう(埼玉県在住)。 “音楽コンシェルジュ”を名乗る彼が今週気になるあの話題を、愛する息子たちと一緒に切り取ります! 巻末の担当編集による編集後記まで楽しんでくださいね♪ ★今週の気になりワード★「小室哲哉」「映画」「SUNNY」「サウンドトラック」「90年代」「ぼくらの七日間戦争」
TKセッションも収録、名曲ばかりの木根尚登25周年記念コンサート映像作品『木根尚登25周年記念コンサート「キネバラ」』インタビュー

TKセッションも収録、名曲ばかりの木根尚登25周年記念コンサート映像作品『木根尚登25周年記念コンサート「キネバラ」』インタビュー

2018年5月30日にリリースされるBlu-ray/DVD『木根尚登25周年記念コンサート「キネバラ」』。本作に収録される昨年12月開催のメモリアルライブについて、また当日披露された数々の名曲にまつわる制作秘話やファンの間で話題となった盟友・小室哲哉とのトークショーの真実、そして25年の音楽生活の思い出を、音楽コンシェルジュ・ふくりゅうが独占インタビュー!巻末の激レア読者プレゼントもお見逃しなく。

この記事のキーワード