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2018年9月18日 更新

ユーロビートはクラシックになっていい時期。30年に渡る歴史が詰まった『SUPER EUROBEAT VOL.250』インタビュー

往年のヒット曲が詰まった『SUPER EUROBEAT VOL.250』が2018年9月26日にリリースされる。DA PUMPの「U.S.A.」や、荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」など、再び注目を集めているユーロビート。その魅力を日本のクラブシーンを知り尽くした男、DJ BOSSに語っていただきました。巻末の読者プレゼントもお見逃しなく!

TEXT:森 朋之 PHOTO:鈴木かずなり

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1990年に始まったユーロビートのコンピレーションアルバム『SUPER EUROBEAT』(以下SEB)シリーズ。その250作目となる『SUPER EUROBEAT VOL.250』がリリース! 本作のコンセプト、そして、 約30年に渡って支持され続けるユーロビートという音楽の“これまで”と“これから”について、本作のプロデューサーであり、日本のクラブシーンを知り尽くしたDJ BOSSに聞いた。

ユーロビートはイタリア発だが、クオリティの面では日本が追い越している

――『SUPER EUROBEAT VOL.250』がリリースされます。250作目、本当にすごい数ですよね。

「僕がすごいわけではありませんが(笑)、1つのジャンルのコンピレーション・シリーズがこれだけ続いているのは大したものだなと思いますね。今回で一区切りということもあって、VOL.1から現在までの歴史を継承するような内容にしたかったんです。
DISC1(「SEB BEST HITS selected by max matsuura/ non-stop mixed by M.S.T」)はエイベックスの創始者であり、ユーロビートを日本で流行らせた立役者である松浦勝人会長にセレクトをお願いしました。DISC2(「SEB LEGEND HITS selected by DJ BOSS / non-stop mixed by 横田商会)は僕がこれまでのヒット曲、代表曲を選び、DISC3(「J-EURO BEST 50 selected by Taddy / non-stop mixed by B4 ZA BEAT」)には浜崎あゆみ、Every Little Thingなどの楽曲のユーロビート・リミックス、いわゆるJ-EUROを収録しています。ミックスも、初期の頃にお願いしていた方々にやってもらったんですよ。懐かしさを感じてもらいつつ、ユーロビートの良さを味わえる内容になっていると思いますね。述べ4000~5000曲あるから、セレクトするだけでも大変でした(笑)」

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――DISC1、DISC2は各100曲、DISC3には50曲で合計250曲。これだけでもかなりのボリュームですよね。

「DISC1、DISC2は1曲につき40秒くらいしか使ってないんですけど、そういうことが可能なのもユーロビートの特徴だと思います。サビだけで何の曲かわかるし、それをテンポ良くつなげることで、十分に楽しめるはずなので。ユーロビートには定型があるんですよ。BPMは大体140~150。イントロにシンセのリフがあって、Aメロ、Bメロ、サビのメロディーがあって、それを繰り返すっていう。もちろん時代によって機材や作り方は変わっているし、ビートに重みが出たり、シンセがきらびやかになったり、ずっと進化をしていて。ユーロビートはもともとイタリアで始まったものですが、クオリティの面では日本が追い越していると思います」

ユーロビートが日本で受け入れられたのは、ノリやすさ

――ユーロビートがここまで日本で受け入れられたのは、どうしてだと思いますか?

「まずはノリやすさでしょうね。基本的にずっと4つ打ちだから、初めて聴いた曲でもすぐに踊れるので。あとは哀愁のあるメロディー。マイナーコードで涙腺を刺激するようなメロディーが好きですからね、日本人は」

――なるほど。90年代のユーロビートといえば、ディスコ・ブームとも密接に関わっていますよね。

「そうですね。90年代に入った頃はジュリアナ・テクノと呼ばれた音楽がヒットしていて、ユーロビートはそれほど支持されていなかったんです。ところが松浦さんは当時からユーロビートの可能性を見抜いていて“良い曲が多いし、これからの日本のシーンに必要な音楽だから”とSEBシリーズをスタートさせたんですよね。その後“マハラジャ”を中心にユーロビートのイベントが増えはじめ、一気に火が付きました。安室奈美恵 with SUPER MONKEY'Sの「TRY ME~私を信じて~」(1995年)、MAXの『TORA TORA TORA』(1996年)などのヒットも大きかったですね。人気アーティストがユーロビートのヒット曲を日本語でカバーしたことで、それまでディスコに行かないと味わえなかったユーロビートの魅力がお茶の間に伝わったので。あとは“パラパラ”ですね。パラパラはもともと、マハラジャなどのディスコの店員のお披露目のために考案されたものだったんです。それをお客さんがマネするようになったのですが、みんなで一緒に踊るというスタイルが日本人に合っていたこともあり、あっという間に大ブームになって。当初はサビだけに振り付けがある簡単なものだったのですが、徐々に複雑になり、そのうちに“知らない人は踊れない”という状態になってしまった。それがユーロビートの人気を低下させるひとつの原因になったかもしれないですね」

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DA PUMPの「U.S.A.」には、いまのトレンドがしっかり入っている

――DA PUMPの「U.S.A.」の大ブーム、荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」のリバイバルヒットなど、ここ最近、再びユーロビートにスポットが当たっています。

「DA PUMPの「U.S.A.」は確かにユーロビートのカバーですが、EDMの要素を取り入れたり、いまの若いリスナーが受け入れやすいようにリアレンジされているんですよね。ダンスもパラパラではなく、いまのトレンドがしっかり入ってる。青山テルマがパラパラを踊った楽曲(「世界の中心~We are the world~」)もそうですが、90年代の懐かしいユーロビートをそのまま持ってくるのではなく、いまのシーンに合わせてアップデートさせているんですよ」

――SNS、動画投稿サイトで拡散されたのも、いまのユーロビートの特徴かなと。

「そうでしょうね。「U.S.A.」がこれだけ注目されたのも、10代、20代の女性がダンスをマネして、Tik Tokなどで拡散させたのが大きな要因なので。「ダンシング・ヒーロー」が注目されたのも、登美丘高校ダンス部がバブルの頃の印象で踊ったのがきっかけですし。つまり、ユーロビートのことは知らなくてもいいんですよね。“この曲おもしろいね”“このダンスやってみたい”というところで興味を持って、そのうち“これってユーロビートなんだ”とわかってくれたらいいかな、と。こちらから“この曲はユーロビートで”と説明しても、いまの若いリスナーは受け入れてくれないと思うんです」
――この先、ユーロビートはどうなっていくと思われますか?

「よく“またブームになっていますね”と言われますけど、ユーロビートのイベントの動員はそれほど増えていないんです。いまの状況をどうつなげていくかが大事でしょうね。ユーロビートの歴史は30年以上あるので、そろそろディスコやソウルミュージックのように、そろそろクラシックになっていい時期だと思うんですよ。そういう意味でも、ユーロビートの軌跡を振り返ることができる作品(『SUPER EUROBEAT VOL.250』)を発売できたことは良かったのかなと思います」

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