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2018年2月23日 更新

私たちはいま、生きている。刺激的な出会いがもたらした音楽への喜びを謳歌せよ。Newアルバム『ALIVE』Do As Infinity × 澤野弘之 インタビュー

Do As Infinityにとって3年ぶりのフル・アルバム『ALIVE』が完成した。2017年6月に発売されたシングル「Alive / Iron Hornet」よりサウンドプロデュースに迎えた澤野弘之とともに、メンバー 伴 都美子&大渡 亮に改めて彼らの音楽やバンドへの愛、新たな体制でスタートした楽曲制作への想い、そして本作のテーマとなった“生きる”ということについて、じっくりと語ってもらった。

TEXT:藤井美保 PHOTO:HIRO EDWARD SATO
ハードなメランコリックさのなかにある不思議な爽快感。Do As Infinity3年ぶりのフル・アルバム『ALIVE』の印象だ。サウンドプロデュースはアニメ、ドラマ、映画などのサントラを手がけ大躍進を遂げている澤野弘之。音を聴けば大成功のマッチングと思えるのだが、そのスタートは互いに手探りだったという。制作に向かう真摯な姿勢ゆえの戸惑いや逡巡。が、だからこそ、双方が真正面から向き合ったときに爆発的クリエイティビティが生まれたのだろう。今年19周年を迎えるDo As Infinity。いつの時代も器用な世渡りとは無縁だ。誠実であろうとするあまり立ち止まってしまうこともある。むしろそれが、めまぐるしい時代のなかで、Do As Infinityが“ALIVE”している理由なのかもしれない。
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--- まず澤野さんにお聞きしたいのですが、Do As Infinityサイドから最初にお話があったとき、どのようにお感じになりましたか?

澤野 19、20歳の頃、ドラマ(『二千年の恋』)がきっかけでDo As Infinityさんの「Yesterday & Today」を知ったことを、ふと思い出しました。当時、エイベックスというとダンス系が多かったので、「この方たちもエイベックスなんだ!」とけっこう驚いたんですよ。主流だった高い声とは違うアプローチのボーカルも気になって、シングルを買ったのを覚えてます。なので、お話いただいたことはうれしかったんですが、その段階ではまだお二人にもお会いしてなかったので、「とにかくまず1曲作ってみますので、それを聴いていただいて、本当に一緒にやるかどうかを判断してください」とお返事しました。
--- Do As Infinityのお二人は、澤野さんをプロデュースにお迎えするという話をどう受け止めていましたか?

大渡 僕はまず、澤野さんの作品集を聴かせていただきました。「知らないうちにこういう方が活躍されてたのか!」と感心していたら、ほどなくしてその最初の1曲が届いた(後にシングル第一弾「Alive」となる)。それが、澤野さんの色を踏襲しつつも、Do As Infinityの作品と言ってもおかしくないほどのものだったので、こんなにも理解してくださってるんだということに感動して、これはもう、やってくださるんなら手放しでお願いしたいと思いました。Do As Infinityの未来は明るいぞと(笑)。

Do As Infinity / Alive -Music Video- Sound Produced by 澤野弘之(Hiroyuki Sawano)

伴 私はですね、もうホントに・・・(苦笑)。

大渡 伴ちゃんは、世間一般とは違うところに本質があるみたいで、だいたいこういう新たな出会いには困惑されるんです(笑)。

伴 (澤野さんに向かって)誤解のないように先に言わせていただきますと、私、非常に臆病な人間なんですよ。一昨年の春でしたか、澤野さんが人見記念講堂での我々のライブに来てくださったんですけど。
澤野 そうですね。それが初対面でした。

伴 正直申しますと、その段階でも腰が重たかったんです。澤野さんがどうのこうのじゃなくて、自分自身が新たな展開をまだリアルにイメージできてなかった。石橋を叩きすぎて壊しちゃうというタイプなので(苦笑)、腹くくるまで時間がかかりました。
--- 伴さんと大渡さんとで、全然違う反応だったんですね。

大渡 Do As Infinityが楽曲も含めてひとりの方とガッツリ組むというのは、久しくやってなかったですからね。おそらく伴ちゃんとしては、自分たち発信でアイデンティティを出していかなきゃいけない時期なのに、受け入れるだけになるのはイヤという部分があっての困惑だったと思うんです。もちろん、その気持ちは理解できる。でも、僕としては、澤野さんの作品群に感じたいい予感に自信があったので、その実を取りたかったんです。だから、伴ちゃんの説得にとりかかりました。「とにかく一歩踏み出してみようよ。やっていくうちに一つひとつ自分たちに寄せていけるように頑張ればいいんじゃないの?」と。難航しましたけどね(笑)。
澤野 僕はお二人の真ん中くらいの気持ちでした。いくつかボーカリストのプロデュースはやってきてるんですけど、いずれも年下の人たちなので、自分がイニシアチブを握って作業を進めることができたんです。でも、キャリアの長いDo As Infinityさんには今までのやり方もあるはず。そこと僕自身のやり方とがぶつかってしまったら、作業が進まなくなるんじゃないかという不安がありました。だから、伴さんの気持ちはわからなくはないです。
伴 そう言っていただけるとホッとします。

澤野 僕も本当に手探りだったので、その最初の1曲にいただいた好感触を糧に、とにかく1曲ずつ進んでみようと思ってました。

澤野弘之

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--- 悩みながらのスタートがあって完成した『ALIVE』だと思うと、味わいも増しますね。

大渡 この機会にもう一度振り返りますと、澤野さんにお願いするにあたって、まずウチの制作陣が短編小説のようなプロットを用意したということがあったんです。劇伴を多くやられている澤野さんなので、そのほうが特色を発揮していただきやすいのではないかという考えだったと思うんですね。僕は、短編小説云々はよくわからなかったけど、澤野さんとDo As Infinityをなんとか結びつけたいという制作陣の熱量はすごく感じた。なので、「そこは信じるよ」というスタンスになれたんです。たぶん伴ちゃんは、プロットがあると自由に歌詞が書けないんじゃないかという懸念を持っていて、そこにいちばん難色を示してたんだと思います。ね?
伴 はい。でも、ある日ふと、そのプロットの話は一旦置こうと思ったんです。で、もう一度澤野さんの音楽とシンプルに向き合ってみた。そしたら、クラシック好きだったり、映画のサントラも買うくらい好きだったりする自分の嗜好にもヒットして、「あ、私、これ好き!」と思ったんです。それでスッキリしたというか、視野が広がりました。一生懸命頭を絞ってくれたスタッフの熱量もやっぱりうれしかったし、というところで、「よし、乗っかってみよう」と急に前向きになりました(笑)。
--- 制作と向き合う大事な心の機微が聞けてうれしいです。最終的にそのプロットはどうなったんでしょうか?

澤野 そこはお二人に聞いてください(笑)。

大渡 澤野さんとのシングル第一弾に入っている「Iron Hornet」は、プロットを元に作りました。ただ、この曲が完成した段階で、プロットに縛られてダークな世界に偏るのは違うね、と、みんながなった。その頃には伴ちゃんが積極的になって、澤野さんにこういうものがやりたいと直接リクエストする流れもできていたので、そこからはプロットは意識しながらもフリー・スタイルで臨んでいきました。
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