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2018年10月24日 更新

自分が歌って、新しいものになる予感がした曲。吉岡聖恵カヴァーアルバム『うたいろ』インタビュー

2018年10月24日にカヴァーアルバム『うたいろ』をリリースする吉岡聖恵。放牧中の彼女が、改めて歌と向き合い、自らセレクトした名曲の数々。「とにかくめちゃくちゃ楽しんでやれた」と語る本作に込めた、真っ直ぐな想いを語ってくれました。

TEXT:森 朋之 PHOTO:鈴木かずなり
現在“放牧中”のいきものがかりのボーカリスト、吉岡聖恵。今年2月からソロボーカリストして活動をスタートさせた彼女が、カバーアルバム『うたいろ』をリリースする。「改めて歌うことの楽しさを実感しました」という彼女、本作の制作について聞いた。
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――どうですか、ひとりで取材を受けるのは。

新鮮ですね。いきものがかりの時はリーダー(水野良樹)がいっぱい話してくれるんですけど、ひとりでしゃべらなくちゃいけないので。いちいち楽しいです(笑)。
――では早速、カバーアルバム『うたいろ』について。制作が始まったのはいつ頃ですか?

どこから話せばいいかな…。放牧されてから、リーダーはいろんなアーティストの方に曲を書いて、山下(穂尊)はキャンピングカーで全国を回って。それぞれの過ごし方をしてたんですけど、私は最初、リフレッシュがメインだったんです。まずハワイに行って、その後、グラミー賞を現地で観させていただいて。半年くらい経った頃に「体がナマってきたな」と感じ始めたので、ジムに通って、少しずつ歌も歌って……ちょうどそういう時期に、「夢で逢えたら」(大瀧詠一)をカバーしませんか?という話をいただいたんですよね。ずっと親しんできた大好きな曲だったし、すぐに「やります!」とお答えして。その後、今度は「糸」(中島みゆき)をカバーすることになって、そこで歌に対するスイッチが入ったんですよね。そこからですね、カバーアルバムを作ろうということになったのは。
――カバー曲の依頼を受けて、歌うことのモチベーションが生まれた?

きっかけはそうだったと思います。2016年の終わりくらいに、「いきものがかりドキュメント」(NHK)の取材で、リーダーから「ひとりでステージに立ってみるつもりはないですか?」というビデオメッセージをもらって。そのときは「やめてよ!」という感じだったんだけど(笑)、放牧中にいろんなことを考えて、メンバーから刺激を受けるなかで、「新しい世界に飛び込んでみたい」という気持ちが生まれていたのかも。それもたぶん、いきものがかりとして10年やってきたことが大きいと思いますね。
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――カバーアルバムの制作はどうでした?

選曲だけでもかなり大変だったんですけど、始まってみるとすごく楽しくて。楽曲のアレンジは本間昭光さん、島田昌典さんにお願いしたんですが、レコーディングの前の日なんて、ワクワクしすぎてなかなか寝られなかったんです。まあ、もしかしたら緊張してたのかもしれないですけどね(笑)。スタジオに行くのも久しぶりで、ミュージシャンの演奏を間近で観たり、楽器に触らせてもらったり。ずっと観てきたはずなのに、すごく新鮮だったんですよね。いきものがかりの歌い手として歌のことだけを考えて続けてきたから、そうやって周りを見渡す余裕がなかったのかもしれないですね、いままでは。
――なるほど。収録曲についても聞かせてください。まずは米津玄師さんの「アイネクライネ」。

米津さんの曲は以前から聴いてたんです。楽曲はもちろん、MVやジャケットもご自分で作ってることを知って、興味を持って。「アイネクライネ」を選ばせてもらったのは、歌詞の主人公のキャラクターがかわいいなと思ったから。引っ込み思案だった女の子が、恋をすることで自己主張できるようになって、少しずつ変わっていくっていう。他の曲もそうなんですけど、歌詞の主人公に魅力を感じるものを選曲しているんですよ。いきものがかりで歌うときは、ふたりが書いてくれた曲の語り部のような立ち位置だったんですけど、今回のカバーアルバムは歌の主人公に引き込まれながら歌っていたと思います。
――「さらば恋人」(堺正章)、「初恋」(村下孝蔵)など往年の歌謡曲の名曲も。

どちらも以前から好きな曲ですね。「さらば恋人」は堺さんの歌の雰囲気が大好きなんですけど、試しに自分で歌ってみたら、ディレクターから「いいね」と言ってもらえて。「初恋」はメンバーもすごく好きな曲なんです。J-POPの源流にあるような名曲だし、歌っているときもすごくフィットする感覚があって。それはきっと、メンバー自身が好きで、影響をうけているからだと思うんです。リーダーなんて、「初恋」を聴くたびに唸ってますからね。「いい曲だ~」って(笑)。
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――やっぱり吉岡さんのルーツはJ-POP、歌謡曲なんですね。1曲目の「少年」の開放的なボーカルも印象的でした。

ゆずさんの楽曲はいきものがかりでもカバーさせてもらったんですが、そのときはもっと湿度の高い曲、内省的な雰囲気の曲が多かったんですよ。「少年」はすごくカラッとしているし、いまの自分のメンタルにもすごく合ってたんですよね。“今自分が出来る事をひたすらに流されずにやってみよう”という歌詞なんて、いまの私はまさにそういう感じだなって思うので。この曲でMVを撮って、アルバムの1曲目に収録できたことも良かったなって。気持ちがパカッと開いているんですよね、いまは。
――いろいろな発見があった制作になりましたね。

本当にそうですね。アルバムが出来上がってから、「結局、どういう曲を選んだのかな?」って考えてみたんですけど、その答えは「自分が歌って、新しいものになる予感がした曲」じゃないかなと。候補は約100曲くらいあって、全部歌ってみたんですが、なかには「これは私が歌っても新しい可能性は開けないな」というものもあって。
――新しい可能性が開ける曲、つまりそれが吉岡さんに合っている曲ということですよね。

はい。そういうことを考えているときに、「いきものがかりは、“あ・うん”の呼吸で成り立ってるんだな」って気付いたんです。ふたりが曲を作って持ってきて、私は“ありがとう”って歌ってきたわけですけど、それが自分に合うというのはすごいことだなって。ディレクターにも「バンドはメンバーの生い立ちの寄せ集めみたいなもの」って言われるんですけど、いきものがかりもそうなんですよね。育ってきた環境、聴いてきた音楽、一緒に過ごしてきた時間があって、自然にいろんなことが一致しているというか。一度離れてみないと気づけなかったことですね、それも。
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