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2018年7月25日 更新

どこか自分自身に通じる部分を感じながら、想いや感情を載せて表現する…菅田将暉「ロングホープ・フィリア」インタビュー

2018年8月1日にNewシングル「ロングホープ・フィリア」をリリースする菅田将暉。amazarashiの秋田ひろむが劇場版アニメ『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE -2人の英雄-』のために提供した表題曲を歌い上げる覚悟と表現者としてのこだわり、そして自身が楽曲制作を行ったカップリング曲「ソフトビニールフィギア」に込めた想いを語ります。

TEXT:児玉澄子 PHOTO:西田周平
菅田将暉が、劇場版アニメ『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE -2人の英雄-』主題歌の「ロングホープ・フィリア」を発売する。本作には、自身で作詞作曲を手がけた新曲「ソフトビニールフィギア」も収録。意欲的にアーティスト活動に挑む彼に、アニメ主題歌の楽曲制作から自身が出演するドラマ『dele』(テレビ朝日系)まで話を聞いた。
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--- 劇場版アニメ『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE -2人の英雄-』主題歌のために制作された新曲Newシングル「ロングホープ・フィリア」ですが、もともと原作コミックのファンだったそうですね。

菅田将暉:はい。週刊少年ジャンプは小さい頃からずっと読んでいて、大切なことはすべて『週刊少年ジャンプ』(集英社)から学んだと言っても過言ではないくらい。『ヒロアカ』も久々のジャンプの王道コミックということで、連載開始から毎週ワクワクしながら読んでます。また個人的にいろいろ悩んでいる主人公というのも好きで、本作のデクも最初は泣いてばかりの男の子だったんですよね。だけど今回の劇場版では、みんなを助ける立場にまで成長していて。そのタイミングでこの作品に関わらせていただいたことに、どこか自分自身の状況とも重なるものを感じています。
--- 作詞・作曲をされたamazarashiの秋田ひろむさんは「デクにとっての圧倒的な憧れのヒーローであるオールマイトの視点に近い歌詞」だとコメントされていましたが。

菅田:秋田さんは、デクと僕にはどこか重なるものがあるともおっしゃっていて。だったらなぜ、デク視点の歌詞じゃなかったんだろうと考えてみたんですけど、僕もそろそろ新人とは言ってられない立場なんだなと改めて思い至ったんです。最近は芝居の現場でも年下の助監督が増えているし、ありがたいことに僕の出演作を見て所属事務所の門を叩いてくる若い子もいる。それこそ「菅田くん」ではなく、「菅田さん」と呼ばれることも増えました。だけどラジオでは相変わらずリスナーの中高生に「お前」呼ばわりで毎度のようにイジられていて。そのギャップが楽しいですけど(笑)

菅田将暉 『ロングホープ・フィリア』

--- もちろんリスナーも菅田さんの俳優としての実力はご存知のはずです(笑)。その上で、どこか同じ目線で語れる相手として共感し、信頼しているのではないでしょうか。

菅田:それが僕のやっていきたいことでもあって。お前らと同じ目線でいる俺が、同時に表ではこんだけやってるんだぞという姿を、下の世代に見せること。それがデクとオールマイトの中間くらいの立ち位置にいる今の僕の使命なんじゃないかと。また秋田さんがオールマイト目線の曲を書いてくれたのも、そういう役割を課す意味があったのかなと勝手に想像しているんです。
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--- 俳優業とは関わりのない作品に、純粋に音楽アーティストとして主題歌を歌うことについてはどう感じていますか?

菅田:最初は悩みました。もっと適した人がいるんじゃないかと、やっぱり考えてしまいます。それでも『ヒロアカ』を誰よりも愛して考えている制作者の方々が出した結論だったとしたら、自分ができる最大限のことをやるしかないなと。楽曲作り云々といったことは秋田さんが整えてくださったので、僕が大事にするべきなのは、そこにいかに思いや感情を乗せるかだと考えて歌わせてもらいました。
--- 一方、カップリング曲「ソフトビニールフィギア」では、自身で作詞作曲を手がけています。

菅田:この曲は映画『何者』で共演したオチ、タイヘイ、シミちゃん、ギターの川口さんと仕上げました。彼らとは業種は違えど、同じように夢心地な同世代としてグッと距離が近くなって、その後もたびたび一緒にスタジオに入ってたんです。そしていつか一緒にライブをやりたいねという夢が今年2月に叶って、さらにみんなで作った曲を世に出すという夢が実現した形です。彼らとの曲作りはまるで自主制作映画を作るような、とても楽しい作業でした。かといってまったくのゼロからはなかなかモノは生まれないので、ある程度、僕がテーマや言葉を持ち込んで、みんなであーだこーだ言いながら作っていった感じです。
--- 大怪獣が出てきたかと思えば、コンビニのレジといった日常感のある風景も描かれていたりと不思議な世界観の歌詞だけに、その裏に潜んだテーマが気になる曲です。

菅田:この曲にはいくつか仕掛けを仕込んでいまして。女性にはバレたくない男の気持ちってあるので、あまり明確には言いたくないんですけど(笑)。ただ最初から、「ロングホープ・フィリア」と通底する曲にしたいという目論見はありました。ソフビ人形で遊んでた子どもの頃って、ヒーローだったり正義だったりを疑いなく信じていたじゃないですか。だけど大人になると、そんな無邪気に「これが正義だ」なんて言えなくなる。それでもどこかで自分を信じてないと、人前に出たり、ものを作ったりなんてできないんですよ。そんな自分の立ち位置なんかもいろいろ考えながら、男の小さなプライドの戦いみたいなものをちょっとファンタジーに落とし込んで書いた歌詞なんです。
--- 表面だけでは読み解けない歌詞だからこそ、リスナーによっていろんな捉え方がありそうですね。

菅田:今の視聴者やリスナーは目や耳がずいぶん肥えているので、裏を読む前提で作品に触れる人も多いと思うんです。そういう人たちが面白がって謎解きしたくなるものを作ろうという思いもありましたね。
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--- 俳優というのは自分の言葉で語る機会が少ない職業だと思いますが、菅田さんにはまずラジオがあります。さらに作詞という表現に踏み込んだのは、自分の言葉を世に伝えたい思いがあるからなのでしょうか。

菅田:言いたいことはいろいろあるんです。生きてればムカつくことも、「マジかー」って萎えることもいっぱいあるじゃないですか。だけどそのたびに、それこそSNSとかに文句を書きなぐったところで…それもいいとは思うんですけど。ただありがたいことに僕はエンタテインメントという表現の場にいるので、その立場を利用して表現によって感性の近い人と繋がれたほうが面白いなと思ってます。あとはやっぱり、ものづくりが好きなんですよね。
--- 音楽のほかにも洋服作りに打ち込んでいることはよく知られています。7月スタートのドラマ『dele』(テレビ朝日系)では、衣装などのビジュアルにも菅田さん自身のこだわりが込められているとか。

菅田:僕の役どころが当て書きでもあるので、どういう人物であるかが一目でわかる、かつ記憶に残るようなビジュアルを意識して作りました。さっき「ソフトビニールフィギア」にはいろんな仕掛けを仕込んだみたいな話をしましたが、このドラマにもすごく新鮮な仕掛けがたくさん潜んでいます。その分、作り手にとっては本当に大変な作業の連続と積み重ねで。それでも、みんな面白がってやってるんです。多くの人に作品を届けるのが難しい時代だというのは、この業界にいる人はみんな感じてます。だけど面白いものを作るんだという自負に満ちたものづくりの現場に、僕は光を感じました。
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