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2017年6月6日 更新

AAA 7人それぞれがメタモルフォーゼを遂げた―― 達成感と感謝の先にある、新たな道を信じて。

デビュー11周年を迎えAAAが初めて単独公演を行った“AAA Special Live 2016 in Dome-FANTASTIC OVER-”が、いよいよ3月22日にBlue-ray& DVDとなって発売される。 その作品を音楽への愛、作り手への敬意をしのばせた静かな筆致で、数々のトップ・アーティストを紹介してきた、音楽ライター藤井美保がその魅力に迫る。はたしてAAAメンバーが語った言葉とは。。。

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text by 藤井美保

 昨年、デビュー11周年を迎えてAAAが初めて単独で臨んだ京セラドーム大阪&東京ドーム。4日間で18万人を動員したこの“AAA Special Live 2016 in Dome-FANTASTIC OVER-”が、3月22日にBlue-ray& DVDとなって登場する。

 1ヶ月前の2月22日には、前作から約2年半ぶりとなるオリジナル・アルバム『WAY OF GLORY』もリリースされた。テレビ朝日系ドラマ『奪い愛、冬』の主題歌となった最新曲「MAGIC」も入ったこのアルバムは、10周年を機に企画されたベストやツアーやイベントなどをやり切ったのちの最初の1枚。AAAが次に向かう先を示唆する大事なポイントだ。おそらくメンバーもそこを強く意識して臨んでいたのだろう。作品に今までとは少し違った手触りが感じられた。

 曲調が大人っぽくシフトしたというだけではなく、サウンドやそれぞれの歌声に、どこかカーンと突き抜けたムードや、外に開いた陽気さが漂うようになっている。それはきっと、各メンバーの精力的なソロ活動がもたらしたサイド・エフェクトだろう。個々が自分ならではの軸足も見つけ、磨き、自信としてきたことで、個性をより際立たせる有機的活動がグループ内で可能になりつつある。そんな明るさが伝わってくるのだ。1本、1本が風を受けて凛と立つ木であれば、その森の生命力はより豊かになる。『WAY OF GLORY』からは、そんな新次元のAAAの姿を感じた。
 タイトル曲は爽快の一言に尽きるが、それとはまた違った魅力でズッシリと胸に響くのが、一歩踏み出す勇気をメッセージする「LEAP of FAITH」。“AAA Special Live 2016 in Dome-FANTASTIC OVER-”では、インパクトあるオープニングを飾った曲でもある。これをはじめとして、ドームでは『WAY OF GLORY』から5曲が披露された。デビュー11年でようやくたどり着いたひとつのゴールのように見えていたあの場で、実はすでに「次」への示唆は始まっていたわけだ。

 という意味で、“AAA Special Live~”と『WAY OF GLORY』は、2個イチでとらえるべきだろう。あの時点でアルバム作業がどこまで進んでいたかはわからないが、メンバーの潜在意識に「次」のイメージは確実にあったはず。つまりあのドームは、7つの個体がある段階のメタモルフォーゼを遂げた場所。映像作品としての『AAA Special Live 2016 in Dome-FANTASTIC OVER-』はその記録。そう思って、ぜひ目には見えないものにも目を凝らしてみてほしい。

 もちろん、目に見えるライブそのものは、文字通りファンタスティックだ。巨大なビジョン、移動式リフター、フロートなど、さまざまな機構やテクノロジーを駆使しためくるめく演出の全体像は、映像で初めてわかったりもする。立ち位置やフォーメーションを覚えるだけでも大変なはずなのにスゴいなと、あらためてそんな感動も湧く。ちなみに、この記事を書くにあたってメンバーに「ドーム公演を一言で表わすと?」というアンケートを実施。日高光啓からは「テーマパーク」という言葉が返ってきた。
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「かねてからライブ会場のテーマパーク化を目指していましたが、リアルにテーマパークになりました。後ろの映像と合わせて、シーンが変わっていくなかで、色々なアトラクションに乗った気持ちになってもらえたんじゃないかと思います」(日高)
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 伊藤千晃は「達成感」、宇野実彩子は「私たちらしさ」という「一言」。

「憧れのドームに立つにあたって、体力面、メンタル面の調整、ステージ構成、ヘアメイクなど、喜んでいただくためのすべてに全力で挑んだので、達成感を味わうことができました」(伊藤)

「会場の大きさや環境、状況に踊らされずに、ファンのみんなとメンバーとスタッフとで一歩ずつ作り上げてきたAAAらしさを発揮できたと思います。華やかななかで、温かさ、せつなさ、青さ、いろんな心模様を共有できて幸せでした」(宇野)

 MisaChiaとしてのふたりのシーンは、あれが最後だったんだなと思うと感慨深い。浦田直也、與真司郎、西島隆弘からはそれぞれ、「最高!!!」、「awesome」、「感謝」という言葉が届いた。
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「誰もが立てるわけではないあの場所で、ここまで頑張ってきたAAAと応援してくれる皆さんと、最高の時間をすごすことができました」(浦田)

「とにかくいいライブができたという意味で“awesome”。ファンのみなさんに感謝感謝です!!」(與)

「みなさんと一緒に歌って、聴いて、感じて、あの素晴らしいドームの景色が観られたのは、関わってくれた多くの方々のおかげです」(西島)
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 映像にあるメンバーの清々しい表情を観ればきっと、この3人のコメントにも「うん、うん」とうなずかずにはいられないだろう。「途中」と答えたのは末吉秀太だった。

「新しい環境、新しい曲、新しいオーディエンス、いろんな新しいに包まれたなかで、実はゴールではなく、まだまだ続く旅の途中なんだと感じていました。あのライブで、新しい未来に向けての第一歩をまた踏み出せた気がします」(末吉)

 今やメンバー全員がアラサー。今後それぞれの人生の充実とともに、AAAの「次」の選択肢はさらに広がっていくことだろう。伊藤がくだした「卒業」という決断もその選択肢のひとつ。そう未来志向でとらえれば、けっして寂しくはない。7人で歩んできた「栄光の道」は、この『AAA Special Live 2016 in Dome-FANTASTIC OVER-』のなかに永久に刻まれているのだから。
 
 
藤井美保(音楽ライター)

大学卒業後、音楽関係の出版社を経て、作詞、作曲、コーラスなどの仕事などを始める。
ペンネーム真沙木唯として佐藤博さん、杏里さん、鈴木雅之さん、中山美穂さんなどの作品に参加。
その後、音楽書籍の翻訳なども手がけるようになり、93年頃からはライターとしてのキャリアも。
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