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2018年6月21日 更新

カッコいいと思うサウンドを自分の中で消化して、新しいものに変換していく。“今シェアしたいもの”が詰まった最新作『WAVE on WAVES』を平井 大が語る。

シンガーソングライター平井 大が2018年7月4日にNewアルバム『WAVE on WAVES』をリリース。タイトルには、通じ合う音と感じ合う言葉、その全てを波のように感じてほしいという想いが込められているという。本作で聴かせてくれたアーバン、アコースティック、レゲエといった幅広いサウンドを取り入れ自身の音楽に変換する術はどこで培ったのか。彼の音楽的な生い立ちから迫ります。巻末の読者プレゼントもお見逃しなく。

TEXT:井手朋子 PHOTO:小境勝己
--- 3歳の時にウクレレをもらったことがきっかけで音楽に興味を持ったそうですが、ウクレレのどんなところに魅力を感じたんですか?

平井:当時は楽器という認識はなかったと思うんですけど、叩けば音が出るし、弦を爪で弾けば音が出るし、多分それが面白くて最初はいじっていたというか。おもちゃ感覚ですよね。あとは父がギターをやっていたので、その姿を見て徐々に自分も弾いてみたいなと思うようになって、ギターを触ったのも早かったと思います。でも子供の頃は手が小さいから、ギターよりウクレレの方が手に取りやすいというのはありましたね。
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--- 当時は何かのカバーを弾いていたんですか?

平井:カバーというよりコードですよね。まずはCのコードを押さえて、それができたらG、F……って父から教わって。父はギターとサーフィンが大好きな人で、小さい頃から海と音楽という2本柱がありました。
--- 11歳の頃にはすでに曲作りを始めていたとか?

平井:Logicという音楽の編集ソフトがあるんですけど、それを小4か小5ぐらいの時に父が買ってきて。自分が弾いた音をのちのち聴けるということが新鮮だったし、弾いたものに対してどんな音を乗せていこうって考えるのが楽しかったですね。それまで演奏するだけだったのがすごく幅が広がったというか、そういう感覚はありました。
--- 小学生ですでに編集ソフトを使いこなしていたんですか?

平井:使いこなしていたというわけでなくて、レコーディングして、それに対してリズムのパターンを乗せていくっていう。積み木みたいな感覚に似ていると思うんですけど、感覚的に弾いてそれが積み重なっていくのが楽しかった記憶がありますね。
--- その頃から今のような音楽性が確立されていたんですか?

平井:全然ですよ。父が入れたアコースティック・ギターに対してウクレレやギターでメロディを弾いたり。だから作曲と言えるか微妙ですけど、コード進行があった上でメロディをどう作っていくかというのはその時期から考え出したのかな。
--- 当時影響を受けたアーティストは?

平井:小さい頃からエリック・クラプトンは好きでしたね。家でよくかかっていましたし、あとはビーチボーイズとか。だけどその傍ら、ウエスト・コーストのヒップホップも好きで、2PACやスヌープ・ドッグを聴いたりしていました。基本的に自分がいいと思うもの、カッコいいなというのものを感覚的にキャッチして、自分のフィルターを通して音にしていくというスタンスは当時から変わっていないと思います。
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--- デビューしたのは音楽系の専門学校に通っていた頃でしたね。

平井:シンガーソングライターとしてはその時期にデビューしました。19歳かな。でもその前に、楽器のプレイヤーとしてバンドのレコーディングに参加してCDになっていたり、自分のソロアルバムも一応出してはいました。その時作っていたのは全部インスト曲で、シンガーソングライターという枠組みにハマるまでは自分がフロントマンだと思ったことはなかったですね。目立つのもそこまで得意な方ではなかったし、不思議なものですよね。
--- 意外ですね。ウクレレを手にしてからこれまで順風満帆に歩んでいる印象を受けますが、ターニングポイントになった出来事ってありますか?

平井:まず第一に、今も話した歌い出したというところですよね。初めて人前で歌ったのは18歳ぐらいの時だったんですけど、それまで歌うということを考えたこともなかったし、歌が得意かって言われたら自分の中では苦手だと思っていて。でもある時、ハワイの“ホノルルフェスティバル”の公式イメージソングを書いて欲しいというオファーがあって、あっさり返答したんですけど、それが実は歌入りの曲だったんですよ。そこまで詳しく聞いていなくて、蓋を開けたら歌詞をつけて歌入りの曲でやってくださいと。歌は未知の世界で新しい挑戦ではあったんですけど、ちょうどその頃プロデューサーのEIGOと知り合って、歌った方がいいよと言われて。半信半疑でしたけど、彼がいろいろ導いてくれました。
--- “ホノルルフェスティバル”がなかったら今のスタイルは生まれていなかったんですね。

平井:そうですね。あとは『Slow & Easy』のタイミング。3年前に出したアルバムですけど、これも僕としてはすごく大きかったですね。それまで年齢的に若かったというのもありますけど、シンガーソングライターとしてやってきて、みんなにどう見られるか、どうしたらカッコいいと思ってくれるかっていうことばかり気にしちゃう時期があって。自分が本当に表現したいものや感じているものを赤裸々に表現して、ありのままの自分でいるということができず、そういうこと自体あまりフォーカスできていなかったんですね。それでCDもあまり売れなくなって、ライブをやってもそんなに集客がなく、レコーディングをしてもディレクターも来てくれないみたいな。僕とプロデューサーとエンジニアだけで制作していたので不安な時期でもあったんですけど、次のCDがうまくいかなかったら今後ちょっと考えていこうというタイミングで。そうしたら、プロデューサーがこうなったら好きなものを作ろうと言い出したんです。それで自分がどういう音楽を聴いてもらいたいかということだけにフォーカスして作ったのが『Slow & Easy』だったんですよ。僕が一番最初に手にしたウクレレという楽器と自分の声だけで成立する曲で勝負したいと思って、素裸な状態で曲を作ってライブをしたら、ジワジワとお客さんが共感してくれるようになった。そこからですね。自分に対して素直でいて、人にどう見られるかよりも自分がみんなとどうシェアしていきたいかを考えるようになったのは。今の音楽との向き合い方というのは、その時期にできたものじゃないかな。
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--- 今作『WAVE on WAVES』について聞かせてください。制作する上でコンセプトなどはありましたか?

平井:コンセプトはあまりなかったかな。毎回そうですけど、今僕が表現したいものを忠実に形にしていきました。
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