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2018年1月23日 更新

Skoop On Somebody、6年ぶりのオリジナル・アルバム『State Of Soul』を語る【後編】削ぎ落としたなかで奏でられるものを…サウンドとボイスの隙間から生まれる大人の音楽とは

スムーズで、クールで、セクシーで、音に身を委ねていると、いい女、いい男になった気分に。そんな素敵な勘違いをさせてくれるSkoop On Somebodyの『State Of Soul』。今年20周年を迎えた彼らの新作にして6年ぶりのオリジナル・アルバムだ。スキルにもハートにも大人の魅力いっぱい。なのに、「今まででいちばんやんちゃな作品」という。「CDが売れない時代というけど、これから絶対さらにいいものが生まれてくるはず」とも。大人が夢見るフューチャー・ソウル。それは若い世代の憧れの世界でもあるはず。アルバムに込めた思いを、じっくりと訊きました。

TEXT:藤井美保

パッションにあふれるものじゃないと意味がない

---今回、KO-ICHIROさんがアコースティック・ピアノ系を多く弾いてる気がしたのですが。

TAKE だとしたら、大成功!

KO-ICHIRO 実はそれ、TAKEからのリクエストだったんです。TAKEのプロデューサーとしての目が、この二人組の特徴をどう活かすかということに向いていて。

---二人組(笑)。

TAKE コンビですからね(笑)。

KO-ICHIRO TAKEはボーカリストで、僕はキーボーディスト。僕がエレピを弾けば、TAKEは「エロピ」と褒めてくれる(笑)。「そこをもっと前面に押し出さないと」と言ってくれて、今回の質感としてほしかった生ピアノ系をけっこう弾きました。2曲目「Elevate You」のピアノ・ソロなどもそうですね。

PHOTO:川田洋司
via
---あれはゾクッとするほどカッコいいです。

KO-ICHIRO ライブ感を大事にするということで、実はあまり弾かせてもらえなかったんです。さっきTAKEも言ってた通り、やり直しをすればするほど「清書」になってしまうんです。でも、そういうきれいなものは今の僕らにはいらない。パッションにあふれるものじゃないと意味がないというところを貫きました。

TAKE KO-ICHIROは弾き手としてのプロですから、他の人にはわからないような音のこぼれやリズムが、実は気になったりするワケですね。で、何テイクかやるんですけど、やっぱりパッションで弾いたテイクに勝るものはない。「もうこれ、すでにヤバいっす!」と、ある意味僕が素人のノリでジャッジしてる部分もありましたね。だから、最もアーティスティックではない、言うたら、最も俗なセンスで作った作品とも言えるんです。
---ボーカルに対するジャッジも?

TAKE そう。もちろん、僕もピッチやリズムが気になったりはします。でも、次のテイクにいけば、たった今録ったテンションにはならないだろうということもわかる。聴き手にとってどっちがうれしかと考えたら、やっぱり気持ちマックスで歌っているほうなんですよ。

---「Immorality」や「Before The Dawn」などのフェイクも、本当に思いのまま自由自在、縦横無尽にいっているなと。

TAKE Aメロ、Bメロ、サビももちろん大事だけど、それ以上に間奏の「♪ウー」やエンディングのフェイクが大事ってところはありますね。ま、そこにこだわるのは、ゴスペラーズの村上てつやと僕くらいかな(笑)。本編の歌を録り終わったあと、そこに何倍も時間をかけることもあります。その一見無駄なところにこそ、聴き手にとっての楽しさも生まれる。超ニッチな世界なんですけど(笑)。
---そのボーカルの濃さが、脳にも心にも訴えかけてきます。

TAKE 実は、ソウル度を薄めるとポップになるという方程式は終わりにしたかったんです。濃くしていったほうが逆にキャッチーになる。ここ何年間かの自分が抱えてたジレンマが、自分の信じる方向で突破口を見出せたということでしょうね。だから、問題作で終わってもいい。合わせると100歳を越える二人が、デビューしていちばんやんちゃなアルバムを作った(笑)。それを見せることで、そこそこ大人になってきている後輩のR&Bシンガーたちの背中も押せたらなという願いもあるんです。
---「The Entrance(Intro)」、「My Plyalist(Interlude)」、「Luvtone(Interlude)」のように、90年代のソウル/R&Bにあった手法を取り入れているのも新鮮でした。

KO-ICHIRO アルバムとしてのムード作りですよね。とはいえ「Entrance(Intro)」は、僕的にはいちばんプレッシャーがかかりました。TAKEから「<Elevate You>にカッコよくつながるアルバムの入り口をよろしく!」と投げられたので、逃げ場がなくて(苦笑)。

---聴き始めたとたん、何が起こるんだろう? といったドキドキ感があります。

KO-ICHIRO ちょっと「スリラー」チックでしょ(笑)。SEにはアフリカのカフェの音とロンドンの雑踏の音とスタジオ近くの環七沿いの音などを混ぜ込みました。ちなみに、2曲のインタールードは、TAKEが作った1曲を、あえて短くしたり、歌詞を減らしたりして作ったものなんですよ。
KO-ICHIRO(Key&Cho)

KO-ICHIRO(Key&Cho)

PHOTO:川田洋司
via
---「Luvtone(Interlude)」の「♪ドゥールルラールドゥーラ」というフレーズは、KO-ICHIROさんの声かなと。

TAKE そう。あれはKO-ICHIROの声だけですね。

---そういうのも、今まではなかったことですよね。

KO-ICHIRO それも、TAKEリクエストでした。

TAKE KO-ICHIROの声のいちばんセクシーなところを使いたかったので、ライブの合間にKO-ICHIROの楽屋に押しかけて、キー合わせのため歌ってもらったりもしました。白昼、僕のiPadに向かってKO-ICHIROが歌わされてる図(笑)。ビデオ回しときたかったな。
---他にもKO-ICHIROさんの声とわかる曲がありますね。

KO-ICHIRO 今までは、楽曲を彩るために3声以上のコーラスを入れたりしてたんですけど、今回それはやめようと。ライブで再現できる、二人だけで成立するハーモニーにこだわったわけです。

---なるほど。「Taste of Honey」のお二人でのユニゾンもカッコいいなと思いました。サウンドの隙間だけでなく、ボイシングの隙間も今回の魅力になっているんですね。

KO-ICHIRO 音楽的にはもう一声足したくなっても、それをあえてやらない。やる必要はないと思ったんです。

TAKE 今回は隙間の勝負だらけ(笑)。

20周年の記念、未来につながるものを「Shalala」20years Anniversary Ver.

---つい先日、Skoop On Somebodyと15組20名のアーティストとがコラボした「Sha la la」20years Anniversary Ver. がYouTubeで公開されました。この新作に「sha la la(New Mix)」を収録したのは?

TAKE 17年前に出した「Sha la la」は、本当にみなさんに愛された曲。なので、20周年の記念と何か未来につながるものになればいいなという願いをこめて、親交のある素晴らしい方々に歌っていただくというプロジェクトを、3月くらいから撮り始めていたんですね。それがYouTubeで流れているのに、このアルバムに「Sha la la」が入っていないのはどうなのかという話がスタッフから出て、それもそうだなと思ったんです。

Skoop On Somebody 『sha la la』20years Anniversary Ver. @Skoop_jp

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