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2019年4月24日 更新

小室哲哉、TMNプロジェクト終了を経てプロデューサー期へ突入した平成TKヒッツの記憶と記録

小室哲哉

小室哲哉

どうも、音楽コンシェルジュのふくりゅうです。

大ヒット曲「Get Wild」で知られる3人組ユニットTM NETWORKデビュー35周年を記念して、1994年に東京ドームで2日間開催されたTMN終了コンサート『TMN final live LAST GROOVE 1994』が2019年4月21日に全国の映画館(全国14都市34劇場)にて1日限定でプレミアム上映されました。

筆者は、映画館『TOHOシネマズ 新宿』で、開映前にインタビュアーとして木根尚登さんと登壇トークしてきました。当日は大いに盛り上がり、結果Twitterのハッシュタグ“#TMNETWORK”が世界トレンドとなりました。
TMNは、戦略的にこのタイミングで一旦プロジェクトを終了しました。いわゆる、単純な喧嘩などにおける解散騒動ではなく、終了とはTM NETWORK〜TMNにおけるプロジェクトをエンタテインメントとして表現する手法のひとつだったのです。

しかし1994年としては早すぎる発想で、当時はそのエモーショナルなマーケティング的考え方が理解し難かったのですが、2019年の今ならそういった“悪巧み(←MCで小室さんが言ってたワード!)”とも言える目論見の意図は理解できます。理性的な情報集約の仕方であり、拡散という考え方にとっても、小室さんが音楽プロデューサーとして大ブレイクしていく直前。TM NETWORKを日本の音楽文化において伝説的なポジションに位置付けする上で有効なアクションだったと思います。

音楽ライターの藤井徹貫さんは、TM NETWORK〜TMNにおける業績をヒストリカルに評論した著書『TMN最後の嘘(トリック)』(ソニー・マガジンズ)を書かれてますが、まさにその後再起動したTM NETWORKの姿を知る僕らは、“最後の嘘(トリック)”の本当の意味を改めて再検証することができます。

1994年TMN終了コンサート『TMN final live LAST GROOVE』で販売されたパンフレットには「いつか必ず3人で新しいプロジェクトをスタートさせたいです」と、しっかり記述されていました。そして「それは僕たちとあなたとの大切な約束です」とも。その約束はTMらしく“電気じかけの預言者のごとく”守られ、今もなおTM NETWORKプロジェクトは継続中です。

先日の、木根さんとのトークでも、TM NETWORKの今後の活動について質問したところ「これだけは言えるのは、今のところ3人とも元気です(笑)。そして僕らも皆さんと同じ思いだということだけお伝えします」とサングラス越しにも伝わる、優しい目をしながら語っていました。

当時のFANKS(TMファンの意)としては、悲しみでしかなかった終了ライブも、俯瞰的に振り返ればTM NETWORKによる考え練られたプロジェクトの一環であることが、のちに再起動したことでわかります。

そう思えばファンの間で、ある種“終了”をダイレクトに想起させるトラウマに近い当時のラストシングル「Nights of The Knife」も、歌詞の通り“終わりじゃなくて始まり、感慨の涙よりも新しい何かへの前向きな気持ち”という解釈にとらえられます。結果、TM史上最高峰のライブフィルムである『TMN final live LAST GROOVE 1994』をきちんと再評価すべき記念日へと記憶はアップグレードされたのかもしれません。
そして、TMN終了後、1994年5月以降、小室哲哉さんはプロデューサー活動を本格始動します。その後の結果は、もちろんみなさん知る通り。

そこで、平成ラストへのカウントダウンの口火が切られた今こそ、作詞・作曲・編曲、ミックスなどの音楽制作はもちろん、トラックメーカー文化を生み出し、かつ自らプレイヤーでもあり、時にはアートワーク、ミュージックビデオなどのヴィジュアルやブランディング、宣伝プランをもコントロールしてきた驚異のプロデュース・ワークを繰り広げてきた小室さんの業績のすごさ。

歴史上類をみない90年代音楽最盛期を牽引し、CD総売上枚数1億7千万枚以上を記録するなど、平成を代表する時代の寵児であり、前人未到の音楽家人生を歩んできた小室哲哉の足跡を、2019年4月10日に配信がスタートした『TETSUYA KOMURO ARCHIVES T SELECTION』とともに振り返ってみたいと思います。
小室哲哉作品集『TETSUYA KOMURO ARCHIVES T SELECTION』

小室哲哉作品集『TETSUYA KOMURO ARCHIVES T SELECTION』

01. trf「survival dAnce ~no no cry more~」 [1994年5月25日]

1994年TMN終了後、初作品。歌詞のわかりやすさ、歌いやすさ、盛り上がりやすさに注力。ヒットチャートをターゲットに最大公約数に刺さった最強ポップ・ナンバー。イントロのフックでどれだけ多くの人の心を捉えられるかにこだわったという。内田有紀主演ドラマ『17才-at seventeen-』主題歌となり、目指していたトレンド参入への成功。TKブーム前夜。

02. globe「DEPARTURES -RADIO EDIT」 [1996年1月1日]

globe最大のヒット曲。雪の中を走る新幹線という、CM映像からインスパイアされて作ったロック・テイストなバラード。ペンタトニックを用いた独特なオリエンタル感、ディティールを描いた歌詞が場面展開で機能的に作用。1行ごと、キャッチコピーのように鮮烈な歌詞を分散型に羅列することで、人によって自分ごとになる共感フレーズを与えることを意識。

03. H Jungle With t「FRIENDSHIP」 [1996年4月24日]

H Jungle With t、3枚目となった現時点でのラスト・シングル。日本テレビ系ドラマ『竜馬におまかせ!』主題歌。クイーン「ウィ・ウィル・ロック・ユー」風のイントロでの遊び心。歌詞のテーマは“普遍的な友情”。吉田拓郎を敬愛する、小室による切ないメロディー展開がフォーク・テイストを感じさせる。TDが前2作はロンドンだったが、本作はLAで実施。

04. hitomi「In the future」 [1996年5月22日]

TKらしい未来志向なポップ・チューン。20歳になったばかりのhitomiによる、ノートにメモしていた言葉を活用した、渋谷にいそうな女の子のテイストを作品化。20年以上を経て、小室最後のプロデュースによるガールズ・グループ、Def Willがアルバムでカバー。その普遍性ある世界観の描き方、今でも通用するフレッシュでポップな表現に驚かされる。
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