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2018年12月6日 更新

JUNGLE LIFE×mu-mo station連動企画SPECIAL TALK SESSION フルカワユタカ × 岸本亮 (fox capture plan)

【フルカワユタカ PROFILE】1997年にDOPING PANDAを結成、2005年にメジャーデビュー。2012年惜しまれながら解散。翌年ソロ活動をスタート。これまでに3枚のアルバムをリリース。2018年に初主催フェス“フルカワユタカ presents「5×20」”を新木場スタジオコーストにて開催。12月5日に盟友・安野勇太(HAWAIIAN6)とハヤシヒロユキ(POLYSICS)とのコラボ曲を収めた両A面シングルを発売。[Official HP] http://furukawayutaka.com/

INTERVIEW:IMAI (JUNGLE LIFE編集部)
PHOTO:eminemo
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L→R フルカワユタカ、岸本亮(fox capture plan)

卓越した才能同士が交わり合う、音と言葉のインプロヴィゼーション

フルカワユタカが2018年12月5日、ニューシングル『クジャクとドラゴン / インサイドアウトとアップサイドダウン』をリリースする。前作シングル『ドナルドとウォルター』での原昌和(the band apart)に続き、今回は安野勇太(HAWAIIAN6)とハヤシヒロユキ(POLYSICS)とのコラボレーションが実現。さらにボーナストラックでは9月26日に下北沢440で開催したアコースティックライブ“僕はこう弾き語った”の音源を11曲も収録するなど、シングルとは思えないほどの充実した内容だ。同日のライブにもゲスト出演していた岸本亮(fox capture plan)を迎えて贈る、新譜リリース記念スペシャル・トークセッション!
●まずはフルカワさんと岸本さんの出会いからお聞きしたいのですが。
フルカワ:下北沢SHELTERだっけ?
岸本:そうです。去年の5月でしたね。
フルカワ:まだ出会って、1年半くらいなんだ…。レーベルの担当ディレクターがブッキングしたイベントがSHELTERであって、そこで対バンしたのが最初でしたね(※2017年5月15日:SHELTER × Niw! Records presents “EARLY SUMMER DIG”)。

●元々、お互いのことは知っていたんですか?
フルカワ:fox capture planについては“今、勢いのあるバンドがいる”ということで名前は聞いていましたけど、実際に会うのは初めてでした。
岸本:僕もDOPING PANDA時代から存じ上げていて、ツアー中の車でもよく『And I'm a Rock Star』(2ndアルバム)をリピートして聴いていたんです。

●影響された部分もあったりする?
岸本:実は結構ありますね。DOPING PANDAに触発されて、ダンスミュージックっぽい曲を書いたこともあって。
フルカワ:そういう曲があるという話は、僕も本人から聞きましたね。
岸本:楽器から何から自分とは違う部分も多いですけど、やっぱり新しいところを切り開いたパイオニアということでリスペクトはしています。

●初めて対バンした時の印象はどうでしたか?
フルカワ:話には聴いていたけど、やっぱり“上手いな”と思いました。曲もすごくオリジナリティがあるし、何よりもメルテンの印象が…。打ち上げの時に、このトボケた感じを知って(笑)。“すごく面白いヤツだな”と感じたことが、その後で自分のライブにゲストで呼ぶことにもつながってくるんです。
岸本:思っていた印象とは全然違いましたね。もっと気難しい人なのかなと思っていたんですけど、意外とフランクに話しかけてくれるお兄さんだなと(笑)。

●フルカワさんが、岸本さんに興味を持ったわけですね。
フルカワ:すごく変なヤツだと思って、興味が湧いちゃって。打ち上げ会場には他のバンドのメンバーもいた中で、僕はメルテンに集中攻撃したんです(笑)。喋り始めても上手く着地できないし、“普通じゃない”感じがするというか…。その時に“一緒にやろう”という約束をしたくらいですね。

●キャラクターが大きかったと。
フルカワ:もちろんピアノもメチャクチャ上手くて。他にも良い鍵盤プレイヤーはたくさん知っていますけど、スキルの部分でいうとメルテンはその中でも頭1つ抜けていたから。自分はテクニックやスキルやグルーヴといった部分を“一丁目一番地”みたいにとらえているところがあるので、そこにシンパシーを感じたんですよ。だから、純粋にプレイヤーとして一緒にやってみたいなと思いました。
岸本:僕もフルカワさんのライブを拝見した時に、同じようにスキルフルだなと思いましたね。最近のバンドセットではサイドギターを入れない(ギターが1本の)編成でライブをされているんですけど、それでも十分成立している感じがあって。音楽においてテクニックはその人の人間性を表しているところがあると思っていて、フルカワさんの演奏からもそういう“人間性”を感じられたんです。

●プレイヤーとしてシンパシーを感じられる。
岸本:フルカワさんもfox capture planもどちらも作る楽曲に関して、アグレッシブな間奏のソロとかとのマッチングが良いのかなと思うんですよ。そういう部分で、自然とテクニカルな要素が出てくるのかなと思います。
フルカワ:そういうプレイに対して“これ見よがしだ”とか言う人もいるんだけど、そうじゃなくて。自分の中では、パンクバンドのボーカルが“シャウト”しているのと一緒なんですよね。
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●感情がそういう形で演奏に出ているというか。
フルカワ:それをたまたま音数の多さで出しているのが、僕やメルテンなんです。だから一括りに“速く弾けるよね”とか“テクニカルだよね”と言われることには抵抗があって。本当は、“叫んでいる”だけなんですよ。
岸本:“エモーション”を表現する上で、音数が1つの要素にはなっていますね。そのへんの見解は一緒な気がします。

●そういった共通点もあるので、一緒にやりたいと思ったんでしょうね。
フルカワ:最初に出会って半年後くらいにSHELTERで3days(※2018年11月28日-30日:フルカワユタカ SHELTER 3days”)をやったんですけど、その中日がアコースティックセットで(※“フルカワユタカはこう弾き語った”)。そこでメルテンと、あの日の約束を果たすべく共演したんです。
岸本:意外と実現するのが早かったですね。

●出会って半年後に初めて一緒に演奏したと。
フルカワ:その日のライブが、僕の周りでもすごく好評だったんです。もちろんメルテンのピアノが良いというのもあるんですけど、上手くハマったというか。僕の声とメルテンの鍵盤の音との相性も良かったし、意外な発見も多くて。そこで“これはもっとやりたいな”と思って、今年に入ってからのツアーにつながるんですよ(※2018年:アコースティックツアー「僕はこう弾き語った」)。そう考えたら、半年おきくらいに声をかけて一緒にやっているんですよね…。

●でも意外と出会ってからの時間は経っていないという。
フルカワ:もう出会ったのが2〜3年くらい前だと思っていましたね(笑)。

●そのくらい距離感を感じさせない人間性なのでは?
フルカワ:最初から全く距離感はなかったですね。
岸本:そんなに何度も会っているわけではないんですけど、昔から知り合いだったような感覚があって。
フルカワ:波長だろうね。もちろん僕のことがダメな人もいるだろうし、メルテンのこの感じがダメな人もいると思うんですよ(笑)。そこはもう波長が合うとしか言えないというか、理屈じゃないところがあると思います。

●だから、一緒にツアーで演奏していても楽しいんでしょうね。
フルカワ:ツアーをまわっている時は、“一緒に遊んでいる”ような感覚でしたね。基本的に毎回、インプロ(※インプロヴィゼーション)なんですよ。ソロもリードも決まったことをやるわけじゃないし、“音符通りにどれだけ弾けるか”みたいなことはお互い気にしていなくて。そういうところが一緒にやっていて、面白いところかなと思います。
岸本:むしろソロの内容に関して、あらかじめ決まっているものを弾くくらい難しいことはないんですよ。弾き語りって、基本的には1人でも成立するじゃないですか。そこで、どういうふうに自分が弾くべきかということを自分は考えましたね。

●単なるバッキングを弾いているわけではない。
フルカワ:一緒にまわったツアーでも、バッキングという感じではなかったですね。オブリガートをすぐ入れてくるし、バッキングを弾くにしてもパターンが違っていて。
岸本:そういうアプローチをしていかないと、自分のいる意味がないと思うんですよ。さっきも話したように、基本的には1人でも成立しちゃうものだから。
フルカワ:そういう主張の強さみたいなものはあって良いし、むしろそこが好きなんですよね。
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●フルカワさんのニューシングルにはボーナストラックとして、お2人が一緒に演奏した9月26日の下北沢440でのアコースティックライブの音源を収録しているわけですが、すごく楽しそうな雰囲気が伝わってきます。
岸本:特にツアーファイナルのその日は、そういう感じでした。ツアー中は僕かPer.神林(翔太)くんのどちらかとフルカワさんの2人でまわっていることが多くて、ファイナルでようやく3人が揃ったんです。神林くんのパーカッションもあったので、そこに自分は“こう乗っかれば良いだけだ”という感じで、すごくノッた状態で演奏ができましたね。
フルカワ:ツアーはずっと良かったんですよ。それぞれと一緒に5本ずつまわって、ファイナルは3人でやったんですけど、11本全てがとても良かった気がします。本当に楽しかったですし、MCも含めて成長したような感覚もありますね。
岸本:いや〜、面白かったですね。
フルカワ:ありがとう。おまえも頑張れよ(笑)。

●ハハハ(笑)。フルカワさんのMCを見て、学ぶところもあったのでは?
岸本:そうですね。でも自分と何か似たところがあって…。
フルカワ:似てねぇっつーの(笑)!
一同:ハハハハハ(笑)。
岸本:わりと楽屋で喋っていた内容をステージ上でも話したりして、良い意味でのお客さんとの近さみたいなものは感じました。
フルカワ:この感じのまま、ステージでも喋っていましたね。

●一緒にいる時の空気感が良いのかなと思います。
フルカワ:良いと思います。別に何かユニットを組んで、一緒にやろうとは思わないんですよ。こうやって何ヶ月かに1回くらい“今度、ライブを手伝ってよ”というくらいがちょうど良い相手だと思いますし、この先もそうしようと思っています。

●コラボで何か作品を作ろうというわけではないと。
フルカワ:一緒になって頭を悩ませたりはしないほうが楽しい相手だろうなとは思っていて。基本的にインプロの付き合いが良いなと思うんですよ。思い付いたら一緒にやってもらうくらいが良いし、即興演奏的な付き合いを今後もやっていけたらなと思っています。
岸本:一緒にいきなり音を出しても形になるというのはありますし、やっぱり相性が良いんだろうなと思います。
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●岸本さんと一緒にやるのと、今回のシングルで安野(勇太/HAWAIIAN6)さんやハヤシ(ヒロユキ/POLYSICS)さんとコラボしたのとは、また違う感覚なんでしょうか?
フルカワ:そこは全く違いますね。今作は、まーちゃん(※原昌和/the band apart)と一緒にやったシングル『ドナルドとウォルター』の延長線上なんですよ。DOPING PANDAの時は特にメジャーに行ってからはセルフプロデュースだったし、むしろ“人と一緒にやらない”というところの価値観を追求していて。

●というのは?
フルカワ:人と一緒にやるとボヤけていくところがあるのに対して、自分だけでやると純粋な“フルカワユタカ”や“DOPING PANDA”になっていく…というところを追求していたんです。でも結局とどのつまりは解散ということになっちゃったわけで、その反動が今のソロでは出ている部分もあって。この2年くらいはとても楽しいし、上手くやれている気がするんです。今回の作品は、そういうところからの“続編”なんですよね。

●今回の作品でも、人と一緒にやることを楽しめている。
フルカワ:2人ともアクも毒もコクも全部あるような素晴らしいミュージシャンなので、その中で“自分が(一歩)引く”という作業は確かにあって。僕も僕でずっと自分を張ってやってきたから、そこは相手がまーちゃんにしろ(安野)勇太にしろハヤシくんにしろ、グッと抑える時はあるんですけど、それが面白いんです。自分がグッと抑えているところが今までやってこなかったポイントだったり、新しいものを見つけるポイントだったりもするので、とても良い作業でしたね。

●このコラボレーションの流れが、次のアルバムまで続くんでしょうか?
フルカワ:いや、このシリーズはそろそろ打ち止めにしようかと思っています。もちろん見つけるものもありますけど、そこでブレーキを踏む体力も必要になるから。あれだけエネルギッシュな3人と一緒にやってきたので、それをずっと続けるのは体力的にちょっと難しいですね。本当に(今回のコラボシリーズは)1枚1枚で魂を削りながらやる感じでした。でもこのタイミングでそういうことができて、本当に良かったなと思います。

●次のアルバムで岸本さんとのコラボレーションが実現したりは…?
フルカワ:何か一緒にやりたいなとは思っていますけどね。アルバムを作る時は、せっかくだからメルテンにも1曲くらい弾いてもらえたらなと。それに、この前のライブでインスパイアされたところもあって…。つい数日前にfox capture planの新作リリースツアーのファイナルを観に行ったんですけど(※2018年11月4日: “CAPTURISM TOUR”@EX THEATER ROPPONGI)、すごく良いバンドだと思ったんです。

●改めて良さを実感したと。
フルカワ:ジャズバンドで管楽器が入っていると、エネルギッシュな感じがするじゃないですか。でもfox capture planは鍵盤のトリオで、それに近いエネルギッシュさを出せていたのが新しいなと思って。ちゃんと“ロック”なんですよ。ソロに関しても決められた譜面通りに弾くわけじゃないし、“叫び”が音数になっている感じがするというか。

●ジャズをベースにしつつ、ロック的なエモーショナルさも表現できている。
岸本:(自分たちの音楽を)どこか1つのジャンルにカテゴライズするのは難しいかもしれないですね。簡単に言うと、この編成で誰もやっていないことをやりたいんです。
フルカワ:それをできている気がする。最初にSHELTERで観た時とは、もう印象が全然違っていて。逆説的に言うと、1年半前はそこまで思っていなかったということなんですけど…(笑)。

●そういうことになりますね(笑)。
フルカワ:メルテンにはすごく興味が湧いたんですけどね。でもこの前にEX THEATER ROPPONGIで観た時は、本当にすごく良いバンドだなと思いました。だから…“1年半もフワッと付き合っていて、ごめんね”っていう(笑)。
一同:ハハハハハ(笑)。


月刊音楽フリーマガジン『JUNGLE☆LIFE』12月発行号で記事掲載中

『JUNGLE☆LIFE』

日本全国に配布拠点を持ち、25年以上に渡り愛読され続けている月刊音楽フリーマガジン『JUNGLE☆LIFE』。プロ・アマ問わずバンドマン・ミュージシャン、音楽関係者、そして何より幅広い音楽ファンやライブ好きから、ライブハウス情報や音楽情報、アーティストの本質を理解するために欠かせない音楽媒体。JUNGLE LIFE×mu-mo station連動企画SPECIAL TALK SESSIONを2018年12月上旬発行号でも連動掲載。
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