mu-moステーション | あらゆるエンタメをもっと楽しむ

2017年12月15日 更新

遠藤舞 First&Last アルバム『最終回』インタビュー【後編】今までお世話になった方やファンの方に対して感謝を伝える、区切りの一枚として。

2017年12月13日(水)にリリースされた、シンガー遠藤舞の最初にして最後のアルバム『最終回』。彼女の音楽への真摯な想いが丁寧に重ねられた本作を、音楽ライター藤井美保がじっくり紐解きます。レコーディングへのこだわり、音楽制作、そして芸能界を引退する未来について…前後編でお楽しみください。巻末の読者プレゼントもお見逃しなく。

TEXT:藤井美保 PHOTO:藤里一郎

「こう聴いてほしい」と押しつけるのは、得意じゃないんです

---本格的バラード「キンモクセイ」の「少し休んでまた歩こう」も、遠藤さんの今の心境なのかなと思ったりしました。

遠藤 配信をした途端、「舞さんが書いた歌詞ですか?」というファンの方の声が多く届きました。でもこれ、特に私の状況を踏まえた書かれた歌詞ではなかったんです。いちばん最近の曲なので、実は踏まえて書かれた歌詞の候補もあったんですけど、私がいいなと思ったのは元々の「キンモクセイ」の歌詞でした。
---ご自身のジャッジだったんですね。

遠藤 周りをちょっと振り回してしまったんですけど、本人が書いたと間違われるってことは、曲にマッチしてたということだと思うので、結果オーライかなと。『最終回』というタイトルにそぐう壮大なバラードを入れたいとも思ってたので、歌入れには心して臨みました。
via
---とても客観的な目を持ってますよね。歌にもそれを感じました。自分が自分が、ではなく、楽曲の世界観を大事にしてるんだなと。

遠藤 「こう聴いてほしい」と押しつけるのが得意じゃないんです。というか、それを私がやるのは違うなと。どう感じるかは聴いてくれる方の自由だし、むしろそっちを望んでいるので、「あとは聴く人の責任」って投げちゃってますね(笑)。
---そこが歌の心地よさの秘密かも。「close your eyes」は「いつかの日々と今日の月」と同じcell No.9の曲。

遠藤 これも録ったのはだいぶ前です。cell No.9の曲は、脱力感、空気間が独特で、オシャレな仕上がりになるんですよ。BGM的な感じで聴けるところも好きなところ。収録できてうれしかったです。
---「アイスコーヒー」と同じく、初回受注限定生産盤だけに入ってる「spring」も浮遊感がありますね。賛美歌のようなエアリーなコーラスと、オモチャが暴れてるみたいなイントロが素敵です。

遠藤 あの機械音みたいなの、いいですよね。あと、アウトロの古い足踏みオルガンみたいな音も好き。冷たい音と温かみのある音が混在する面白い曲だなと思いました。めいっぱい重ねたサウンドとしての声も楽しんでいただけたらと。
via
---オーバーチュア/インタールード的なナンバーでは、遠藤さんがピアノやリコーダーなど楽器演奏もしています。冒頭の「the first episode」は、どうやって作ったものですか?

遠藤 1stシングルの「Today is The Day」はやっぱり1曲目に持ってきたかったんですね。でも、そのまま入れちゃうとシングルと変わりなくなっちゃう。だから、「Today~」を匂わす導入部をつけようと。思いつくまま弾いたものをカタチにしました。
---中盤の「recorder~de~pieu」では、激しくリコーダーを吹きまくってます(笑)。

遠藤 今回のレコーディングで一番時間がかかりました。
---ですよね。けっこう宇宙的なインスト曲ですもん(笑)。

遠藤 これも私の振り回しから始まったんです。カッコいい曲なんですけど、ハードな曲を歌うモードにはどうしてもなれなくて。でも、何かしらのカタチにしたかったので、当時なぜかハマッてたリコーダーでやってみようと。もちろん、作家さんにもおうかがいを立ててOKをいただきました。歌メロは活かしつつ、それ以外は全編アドリブです。
---そうなんですか! 

遠藤 オケを流しながら思いつきでいっぱい吹き、ここではこのフレーズを使おうとセレクトしていったので、まる2日かかりました。

---テルミンもプレイしてますね。

遠藤 オモチャっぽいヤツなので音程が怪しいんですけど、アクセントになればなと思って真剣にキュルキュルしました(笑)。
---ある意味アヴァンギャルドなロックナンバーだなと。

遠藤 イメージは「ドッキリ」です。たぶん初めて私を聴く方は、「どこから歌が入るのかな?」って待っちゃうと思うんですね。「あれ、1番終わったっぽい」と思ってたら、2番になって終わっちゃう。そこで「あ、インストだったんだ!」と気づく、みたいな(笑)。

---そこに時間とパッションを注ぎ込んだと?

遠藤 はい。真剣にふざけたことをやってみました(笑)。
36 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

遠藤舞 First&Last アルバム『最終回』インタビュー【前編】うまく歌おうとか、微妙な味わいを出そうとか考えない“まんまの声”で音楽と向き合えた

遠藤舞 First&Last アルバム『最終回』インタビュー【前編】うまく歌おうとか、微妙な味わいを出そうとか考えない“まんまの声”で音楽と向き合えた

2017年12月13日(水)にリリースされた、シンガー遠藤舞の最初にして最後のアルバム『最終回』。彼女の音楽への真摯な想いが丁寧に重ねられた本作を、音楽ライター藤井美保がじっくり紐解きます。音楽のルーツ、各楽曲への愛、歌うということについて…前後編でお楽しみください。巻末の読者プレゼントもお見逃しなく。
デビューからの僕たちがこの1枚にまとまりました!BOYS AND MEN『ボイメン・ザ・ベスト』インタビュー

デビューからの僕たちがこの1枚にまとまりました!BOYS AND MEN『ボイメン・ザ・ベスト』インタビュー

2018年12月19日に自身初のベストアルバム『ボイメン・ザ・ベスト』をリリースするエンターテイメント集団BOYS AND MEN。今年で9年目となる彼らが初のベストアルバムを出す心境やMVの撮影秘話を語ってくれました。さらにナゴヤドームに向けての意気込みや2019年の目標にも迫ってみました♪巻末の読者プレゼントも要チェックです!
精神的な閉塞感から抜け出す唯一の鍵は“自分との対峙”だった。SKY-HI『JAPRISON』インタビュー

精神的な閉塞感から抜け出す唯一の鍵は“自分との対峙”だった。SKY-HI『JAPRISON』インタビュー

SKY-HIが、2018年12月12日に4枚目となるオリジナルアルバム『JAPRISON』をリリースする。“JAPanese Rap IS ON”(=日本のラップはイケてる)と“JAPAN”と“PRISON”(=刑務所、牢獄)という一見、相反する2つの意味を持つ本作に込めた想いを熱く語ってくれました。巻末の読者プレゼントも要チェックです★
心に空いた穴は“音楽”でしか埋まらなかった。伊藤千晃『New Beginnings』インタビュー

心に空いた穴は“音楽”でしか埋まらなかった。伊藤千晃『New Beginnings』インタビュー

音楽活動を本格始動した伊藤千晃が、2018年12月5日に初のソロミニアルバム『New Beginnings』をリリースする。自分をさらけ出したと語る本作について、恥ずかしさも覗かせつつ、等身大の自分を表現することへの真っ直ぐな想いを語ってくれました。巻末の読者プレゼントも要チェックです★
1つのジャンルに固執することなく、世の中的にいいとされるものだけを聴いて育ってきた世代…ビッケブランカ『wizard』インタビュー

1つのジャンルに固執することなく、世の中的にいいとされるものだけを聴いて育ってきた世代…ビッケブランカ『wizard』インタビュー

ビッケブランカが、2ndアルバム『wizard』を11月21日に発売する。現在放送中の新垣結衣と松田龍平がダブル主演を務める日本テレビ系ドラマ『獣になれない私たち』挿入歌「まっしろ」やTVアニメ『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』(TOKYO MXほか)EDテーマ「Buntline Special」などの話題曲を収録したアルバム制作やタイトルに込めた想い、音楽ルーツについて話を聞いた。巻末の読者プレゼントもお見逃しなく♪

この記事のキーワード