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2019年4月24日 更新

JUNGLE LIFE×mu-mo station連動企画【SPECIAL TALK SESSION Vol.3】LOW IQ 01×大木伸夫(ACIDMAN)

【SPECIAL TALK SESSION Vol.3】既成概念に挑み続ける同志が共に描く、終わりなき夢物語

PHOTO:ハービー・山口
撮影場所:CA4LAショールーム(https://www.ca4la.com/
インタビュー:IMAI(JUNGLE LIFE編集部) / 編集:木村恵美子
 ソロ活動開始から20周年を迎えるLOW IQ 01が、4月24日に8thアルバム『TWENTY ONE』をリリースする。近年の積極的なライブ活動を投影したような勢いのあるバンドサウンドと疾走感溢れるビート、“これぞLOW IQ 01節”と言うべきメロディセンスが光る名曲揃いの今作。そんな本人も“超自信作”と語るニューアルバムの発売を記念して、大木伸夫(ACIDMAN)との特別対談が実現した。世代を超えて深い交流を重ねてきた両者ならではの濃厚な対話は、まさしく必読の内容だ。

INTERVIEW

●取材前からお2人のやりとりを拝見していると、“先輩・後輩”という関係を超えた仲の良さを感じるのですが…。
大木:それは01さんが、僕らに目線をすごく合わせてくれているおかげだと思います。先輩風も吹かさないし、怖かったのは本当に最初だけですね。
01:40歳を過ぎると、もう先輩・後輩も関係なくなってきて。逆にこっちはどんどん歳を取っていくので、介護のつもりで“優しくして”っていう感じですね(笑)。50歳近くなってまで縦社会というのは、今の時代に合わないと思うんですよ。
大木:確かに。
01:もちろん先輩・後輩の関係も大事だとは思うんですけど、一番大事なのは(音楽の)内容だと思うから。歳下のバンドだとしても自分の経験にはないようなすごいことをやっている人なら、逆に“先輩”(的な存在)とも言えるわけで。そういう感覚もあって、40歳を過ぎてから(年齢差は)もう関係なくなりましたね。

●年齢と共にそういうことも気にしなくなった。
大木:去年くらいにやっと、01さんのことを“いっちゃん”と呼べるようになったんです。本人は以前からずっと“いっちゃんと呼んでくれていいよ”と言ってくれていたんですけど、先輩をそう呼ぶのは失礼だろうと思って…。でも今は勇気を出して、“いっちゃん”と呼んでいます(笑)。
01:そっちのほうが距離も縮まるからね。壁が1つなくなったなという感じがしています。

●最初の出会いはいつだったんですか?
01:まだACIDMANがメジャデビューした当初でしたね。
大木:2003年の“ROCK IN JAPAN FESTIVAL”で、メインステージに01さんがMASTER LOWで出演していた時ですね。僕はSUPER STUPIDの時代から、ファンだったんですよ。でもソロになってからのライブは観たことがなくて、その時が初めてだったんです。

●話したのもそこが最初だった?
大木:“ROCK IN JAPAN FESTIVAL”の楽屋スペースは、色んな人と出会うキッカケをくれる場所なんですよね。“ここで話さなきゃダメだな”ということで、自分たちのCDを持って楽屋へ挨拶に行こうとしたんです。でもやっぱり怖いイメージがあって…、僕は当時01さんのことを本物のヤクザだと思っていたんですよ。
一同:ハハハハハ(爆笑)。

●本職の方だと思っていたんですね(笑)。
大木:不良とかチンピラではなくて、本物のヤクザの人が音楽をやっちゃっているんだと思っていて(笑)。たぶん誰かから間違った情報が入っていたのかも…。
01:刷り込みだよ、刷り込み(笑)!
大木:でも話したいのでドキドキしながら声をかけさせてもらったら、すごく気さくに話してくれて。そこが最初のキッカケですね。

●ちなみに01さんも、最初に大木さんと話した時に衝撃を受けたそうですが…。
01:ライブが終わった後に、楽屋で写真チェックを20〜30分くらいしていたんですよ。ふと窓の外を見たら、こっちをずっと見ている人がいて。“ACIDMANのボーカルギターの子だな”と思いながらも、“まあいいや”という感じで作業を続けていたんです。
大木:その時、既に僕らのことを知ってくれていたんですよね。それも後から知って、嬉しかったです。
01:それで写真チェックが終わって楽屋のドアを開けたら“僕たちACIDMANというバンドの…”と話しかけられて、“ええっ〜、もしかして今までずっと待っていたの!?”って驚いたという(笑)。それが衝撃的で、“すごく丁寧な子たちだな”と思いましたね。
大木:“今行くべきかどうなのか…?”と、間合いをずっと測っていました(笑)。

●そこから関係が深まっていった?
01:僕らは俗に“AIRJAM世代”と言われるじゃないですか。その中でも後輩はいるんですけど、(大木)伸夫たちとは世代的に重なっていなくて。若い世代からは“あの人たちは怖いんじゃないか”とか“一緒にライブなんかやってくれないんじゃないか”という誤解もまだあった時期で、あまり他の世代のバンドと対バンしたことがなかったんですよ。そういう中で、自分たちとは違う世代の人たちから初めて誘ってもらったのがACIDMANだったんです。
大木:確かに当時は僕らの世代のバンドから、AIRJAM世代の人たちには誰もアプローチできていなくて。01さんの他にもBACK DROP BOMBやHUSKING BEEにも声をかけて、対バンさせてもらったんです。

●MASTER LOWが出演したのは、2005年6月のACIDMAN主催「Cinema vol.3」ですよね。
01:俺らは北海道(※2005年6月25日@札幌市民会館)に呼んでもらったんだけど、その時の打ち上げで色々と話したんですよ。そのあたりから伸夫と同じ世代のバンドとも仲良くなっていきましたね。たとえば10-FEETだったり、その世代でも共通して仲の良い相手もいたりして。

●今では、当初のように緊張もしない?
大木:こう言うとちょっと申し訳ないですけど、一緒にいても全然緊張しないです。逆に01さんがその場にいてくれるだけで、楽しい感じがするというか。フェスの現場で会っても“わ〜、いっちゃんだ!”みたいな感じで(笑)。ずっと一緒に呑んでいたくなる人ですね。
01:さっきも話したように40歳を超えたら、みんなもう同級生みたいなものなんですよ。

●とはいえ01さんは今年ソロデビュー20周年を迎えられたわけで、親しい関係の中にもリスペクトがあるわけですよね?
大木:もちろんリスペクトもあるし、自分たちの“先”を見せてくれているような感じがしていて。先輩たちが1つの道を作ってくれているような感覚があるんです。“先輩たちがやっているんだから、俺らもやれるんじゃないか”って思えるというか。そこに“希望”のようなものを感じられるので、これからもぜひずっと続けて欲しいですね。
01:最近は色々と便利なことも増えたおかげで、昔に比べてミュージシャンの寿命も伸びていると思うんですよ。たとえば昭和の時代はバンドブームも含めて色んなムーブメントがあったけど、どれも2年くらいで終わるだろうなと思っていたんですよね。実際にAIRJAM世代に関しても、2000年代以降はまた違う世代のバンドが出てきたわけで。そういう中でも、自分はずっと音楽ができているということは幸せなのかな。

●ACIDMANも2017年に結成20周年を迎えられたわけですが。
大木:僕らは結局ライブで目の前のお客さんを相手にして、その対価を頂くということができれば、他は何でも良いんですよね。バンドというのは、そういう軸があるから続けられると思うんです。昔はCDが売上の中心だったけど、今はライブや物販がメインになっていて、これからもその形はどんどん変わっていくと思うんです。そこで右往左往しないためには、こういう軸足の付いた活動をすることが大事で。その活動の仕方は01さんやHi-Standardといった先輩方がやってきたことであって、それが一番シンプルで強いということを時が経てば経つほどに実感しています。
01:直球勝負というか。そういう中でもエンターテインメント性や話題性も必要だし、面白いことやハッとさせることが自分は好きなのかなと思います。俺ら世代は結局、人がやらないことをやるのが好きなんですよね。“そっちがそういうことをやるなら、俺らも…”みたいな感じでお互いに刺激を受け合ったりして。そこは同世代だけじゃなくて、後輩に関しても“やるね〜”という感じで素直に認めるというか。逆に“認めない”ということは、自分にとって“負け”ですからね。

●下の世代でも、すごいことはすごいと認めることが大事。
01:“俺らの時代は良かった”とか言っちゃうのはすごくナンセンスだし、自分たちが若い頃に一番聞きたくなかったセリフだと思うんですよ。俺らは“詰め込み世代”と言われるけど、もっと下の世代の子たちは“ゆとり世代”や“さとり世代”と言われていて。でも誰も自分で選んで生まれてきたわけじゃないし、その時代に生まれてきたからにはそれを誇りに思うしかないんです。それぞれの世代に対して、“良かった”とか“きつかった”とか言ってもしょうがない。
大木:確かにそうですね。
01:でもたとえば昭和の俺ら世代の“根性論”というのは、良くなかったなと思うんですよ。根性を付けること自体はすごく良いことなんだけど、根性論で無理矢理やらせるのはちょっと違うなと。他にも今になって“あれは間違いだったな”ということって、いっぱいあるわけじゃないですか。

●ありますね。
01:何でも一番最初に指摘することって勇気が要ると思うし、革命を起こす人も最初は“何を言ってるの?”って言われちゃうものじゃないですか。でもその人が言っていることが後になって立証されてみたら、“ほれ見ろ!”ってなることも多くて。“ほれ見ろ!”と言いたいというか、そういうイズムはあるかもしれない。レベルミュージックが好きな人間なので、やっぱりそういうところからの影響もあるのかな。
大木:よくわかります。でも僕の場合は、そこで精神論に行くんです。自分の思想で、歌を作っていることが多くて。たとえば、いつか死後の世界があることを証明したいというか。“ほら、やっぱりあったじゃないか!”と言いたいんです。そういうことを胸にいつも歌っていますね。

●同じような感覚を持っているけれども、表現の仕方が違うだけというか。
01:自分と真逆だから、面白いと思う。良い意味で、伸夫はインテリなんですよ。でも全然イヤミじゃないし、教養を押し付けてくるわけでもなくて、ACIDMANにしか出せない世界観を作り出している。そういう俺にはないものを持っているところに、憧れはありますね。たまに“何を言っているんだろう…?”と思って、笑っちゃう時もありますけど(笑)。
大木:ハハハ(笑)。
01:でもさっきも“立証したい”と言っていたように、本人は本気だから。俺も宇宙の中には絶対、自分たちと同じような生活をしている星があると思っているし、もしくはもっと進化している星もあるはずなんですよ。
大木:山ほどあると思います。これだけの星の数があると考えれば、地球外生命体がいる確率は100%に近いんですよ。それなのに常識的にはみんな“いない”と考えながら生きているのは、あまりにもナンセンスだなと思っていて。

●何となくの常識を共有してしまっている。
大木:たとえば量子力学の世界では、僕が子どもの頃にはまだわかっていなかったようなことも今では“合っている”と立証されているんです。子どもの頃に何となくそうじゃないかと思っていた“夢物語”が、科学の進歩によって次々と解明されていくのがすごく気持ち良いんですよね。宇宙人や地球外生命体は絶対にいるし、目に見えない世界は山ほどあるし、死後の世界もある。…とはいえ、僕らはこの現実を生きているから、その中でどのようにサヴァイヴして楽しく生きていくかというのが僕らのテーマになっていて。“それが全て”と思っちゃうような生き方だけは、絶対にしたくないんです。
01:その意見に対して同調できるところとして、音楽を長くやっている中でも“あっ、法則が変わったんだ”みたいな瞬間があるんですよ。昔は定番だったようなものをブッ壊してくれる人がいて、そこからどんどん進化していくわけで。昔は“それはないよ”と言われていたものでも、“No”が“Yes”に変わる時があるというのは長年その現場にいたから気付けたことなんです。そこが引っくり返る瞬間を何度も見ているから、やめられないんですよね。

●それまでの常識を覆すような体験をしてきたことが、お互いに長く活動を続けるモチベーションになってきたんですね。
01:子どもの頃に夢見ていたようなことにも、もしかしたら可能性があるんじゃないかと思えるから。そういう意味では、今こうやってインタビューしてもらえていることも夢物語の1つというか。一握りの人間にしかできないことなわけで…。
大木:本当にそうですよ。僕らはずっと夢物語の最中なんです。
01:俺らはずっとフワフワ・フワフワしているんですよね。だから、宇宙の話なんかしちゃうんだよ(笑)
一同:ハハハハハ(笑)。

[media station] LOW IQ 01×大木伸夫(ACIDMAN)PLAY LIST公開中

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