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2018年12月5日 更新

ジャズがあればどこまでだっていける気がする。JUJU『DELICIOUS ~JUJU's JAZZ 3rd Dish~』インタビュー

デビュー15週年を迎えたJUJUが、アルバム『DELICIOUS ~JUJU's JAZZ 3rd Dish~』を12月5日に発売する。シリーズ第3弾となる今作は、前2作に引き続き松尾潔氏が総合プロデュースの元、NHK総合『世界はほしいモノにあふれてる』のオープニングテーマ「Remember(The Good Times)」から「Fly Me To The Moon」をはじめとする、ジャズ初心者にも耳馴染みのある名曲を多数収録した珠玉のアルバムが完成した。

TEXT:永堀アツオ
via
――今年8月にデビューから丸14年を迎え、15周年イヤーに突入しました。

デビューした時にまさかJUJUが15年も続いているとは思ってなかったので、本当に皆さんに連れてきていただいた15年だなと思うし、ただただありがたいなという感謝の気持ちです。
――振り返って、どんな15年だったと言えばいいですか。

決して順風満帆ではなかったですね。いろんな壁とか山とか谷とか急な坂道、上りも下りも含めてあったけど、振り返ってみて思うのは。やっぱり楽しかったなっていうのが一番ですね。しんどかったことも含めて楽しかったです。
――JUJUさんはジャズアルバム『DELICIOUS』シリーズや邦楽カヴァー『Request』シリーズを始め、さまざまなジャンルの曲を歌ってきました。この15年でシンガーとしての変化はありましたか。

「奇跡を望むなら...」を出す直前の2005年に、作曲者でアレンジャーの川口大輔くんに『そういう歌い方だと日本語は届かないよ』と言われて。デビュー当時の私は、ジャズっぽい、クラブノリみたいな曲ばかりをやっていたんですが、そこで、大ちゃんの言うとおりに歌ったバージョンと、私が好きに歌ったバージョンを聴き比べたら、なるほど!って、大ちゃんの言っていることがどれだけ正しいかっていうのがわかって。それ以来、あんまり不必要なビブラートや子音の強さや、いらないアドリブを入れないで歌うようになりました。「奇跡を望むなら…」から、日本語を大切にしようという歌い方に変えたことで、いろんな方と出会えるようになって。そのおかげで今に至っているのですが、2011年に初めてジャズアルバムを作らせていただいた時は、ジャズのレコーディングに入った瞬間に、喉の別の部分を使って歌っていることに気がついて。JUJUの喉は別にできていて、私がJUJUになる前の喉っていうのは、形状記憶みたいにまだ残っていて。あのひと言があったからこそ、JUJUの喉が出来上がっていって、その一方で、私自身の喉っていうのも残っているんだなってびっくりしました。

JUJU 『奇跡を望むなら...』

――今回、3枚目のジャズを出そうと思った経緯を聞かせてください。

気づいたら前作から6年経っていて。その間に、リリースしないのですかって本当にいろんな方から言われて。うれしいなって思いながらも、スナックにかまけていたりしていて(笑)。いつ出せるだろうって思っていたら、NHKでMCのお仕事とオープニングテーマを作ってくださいっていうオファーもあったので、だったらジャズアルバムを作って、2枚目に入っている「It Don't Mean a Thing」に代わる、盛り上がれるオリジナル曲を作れたらいいねっていう流れと15周年のスタートということで始まりました。
――オープニングを飾るオリジナルのジャズナンバー「Remember (The Good Times)」はすごく華やかだけど、切ない曲になっていますね。

私にとっては大団円というか、それこそ死ぬ間際にそう思える人生にしたいなって思う曲です。ろくでなしも天使も悪魔もろくでもない恋も素敵だった恋もぜーんぶ、今になって思い返せば全部いい時間だったなっていえる人生になったらいいなって。またいい曲に出会えました。
――オリジナル以外の選曲に関してはどう考えていましたか?

一番最初に裏テーマでNYというのがあって。私がNYに行ってなかったら、JUJUになってないし、ジャズと一番深くかかわったのもNYという街。今年、ブルーノートで開催したライブのテーマもNYにしてセットリストを作っていって。15周年はいろんな方への感謝還元祭にしたいなっていう思いがあり、NYに対しても感謝の気持ちを表すために、このアルバムはNYを裏テーマにしました。
――NYはJUJUさんにとってどんな街ですか。

呼吸の仕方を教えてくれた街ですね。日本にいると人の目ばっかり気にして、人と違うことするのは良くないことなのかなとか思っていたけど、私のことを知らないNYにいる人たちは、自分のことで精いっぱいで、誰のことも気にしてなくて。でも、助けが必要な時には助けてくれて。やりたいことがあるから、皆わがままなんですが、そのわがままがみんなに認められている。自分の生き方は全部自分で決めていいし、限られた時間の使い方も、全部自分で決めるのが当たり前だって、本当に生きることを楽しくしてくれたし、人と違うのが当たり前っていうのも教えてくれました。大人になったら、もちろん組織の中で生活する時にはルールっていうのが存在するし、そのルールを破ったらいけないかもしれないけれど、誰かに迷惑かけなければ自分のわがままを通すべきなんだなっていうことを教えてくれた街ですね。
――まさにNYに住む異邦人をテーマにしたスティング「Englishman In New York」では、NYでも活動されている久保田利伸さんとデュエットしています。

私、兄さんに会ってもう20年くらい経つんですよ。当時、私はNYの洋服屋で働いていた時もよくお会いしていましたし、デビューしてからも久保田さんの曲に呼んでいただいたことがあったり、いろんな音楽番組でよく兄さんのデュエット相手が私っていうことが多かったりもして(笑)。いつか、こちらで何かを作る時に兄さんとデュエットしたいっていうのがずっとあって、今回、お願いしたら快諾してくださいました。ただ兄さんはジャズというジャンルを歌うのははじめてだということで、ジャズのスタンダート曲というよりはジャズアレンジが可能な、お互いの思い入れが深い街であるNYをテーマにということを考えたら、やっぱりこの曲かなって。

JUJU 「Englishman In New York (Duet with 久保田利伸)」Recording Digest + Interview

――スティングのオリジナルバージョンもバックは有名なジャズミュージシャンが務めてました。

知名度が高い曲だし、ジャズを知らない人でも知っていますし。『俺ら、イングリッシュマンじゃないじゃん』っていうごもっともなことも言われたんですけど、『ただ、イン・ニューヨークはしてたじゃないですか。私たちもリーガル・エイリアンだったじゃないですかって口説き落として(笑)。兄さんは自分が納得できる歌が出るまで歌い続ける情熱があって。あの頃は全く知らなかった、歌に対してすごくストイックな“久保田利伸”さんを見ることができてとても貴重な経験になりました。
――ジャズの曲で特に思い入れのある曲を挙げるとすると?

私は「Stolen Moments」ですね。ずっと好きな曲だったんですけど。
――地味なブルースですよね。歌詞はあなたが彼女の元に去った後に、あなたがいないことに気づくっていう、どうしようもない思いが歌われていて。

味わい深いですよね。選曲は話し合いながら決めているのですが、今回この曲は是非入れたいという私の希望が通ったんです。こういう、ままならない思いを私は日本語でも歌っているし、結局は、こういう淫靡な切ない世界が好きなんですよね。そもそもインストで聴く「Stolen Moments」も大好きですね。
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